さわやかな香りと酸味、シャキシャキとした食感がおいしい「八朔(はっさく)」。ミカン科ミカン属で日本生まれの柑橘です。この記事では、そんなはっさくの特徴や旬の時期、名前の由来のほか、含まれている栄養素やおいしい食べ方、保存方法などをご紹介します。よく似ているいよかんや甘夏との違いも併せてチェックしてみてくださいね。
はっさくとは?旬や保存方法、おいしい食べ方について詳しく解説!

- 目次
- はっさくとは
- はっさくの旬と名前の由来の関係
- はっさくの特徴といよかんや甘夏との違い
- はっさくのカロリーや栄養素を比較!
- はっさくの食べ方や保存方法は?
- はっさくを使ったおすすめレシピをご紹介!
- はっさくのさわやかな味わいを楽しもう!
はっさくとは
はっさくは、ミカン科ミカン属の果樹であり、日本原産の柑橘類です。シャキシャキとした粒感のある食感やスッキリとした酸味とほどよい甘み、ほのかな苦味があるのが特徴で、ほかの柑橘にはない魅力があります。外皮は黄色に近いオレンジ色で厚みがあり、さらに内皮も厚めで食べづらいので、皮をむいて身だけを取り出して食べるのが一般的です。
また、はっさくは柑橘類の中でも比較的大きめのサイズで、温州みかんが直径約6cm、重さ約100gであるのに対し、はっさくは小ぶりのものでも直径8cm、重さ180g、大ぶりのものだと直径9cm以上、重さ350g以上にもなります。
はっさくの旬と名前の由来の関係
さきほどはっさくは日本原産の柑橘であるとご紹介しましたが、1860年ごろに広島市因島にある恵日山浄土寺の境内で偶然発見されたフルーツだといわれています。
当時の住職が「八朔(八月の朔日)には食べられる」と言ったことから「八朔(はっさく)」という名前がついたのだとか。朔日とは「ついたち」とも読み、月の始まりの一日のことを表します。つまり、当時使われていた旧暦でいう9月1日には食べられるという意味です。しかし、実際の八朔の旬は2~3月。八月の朔日とはだいぶ時期がずれるので、この逸話の真偽は不明なのだそう。
ちなみに旬の時期は2~3月ですが、収穫されるのは12~2月中旬の寒い時期です。収穫してから1~2か月ほど貯蔵し、酸味が抜けて一番おいしくなったころに出回ります。
はっさくの特徴といよかんや甘夏との違い
ここまではっさくの特徴を解説しましたが、ほかにも「いよかん」や「甘夏」など、はっさくによく似ている柑橘類の果物がありますよね。これらはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴についても見てみましょう。
いよかん
いよかんは、酸味と甘みのバランスのとれた味わいと、果汁たっぷりのジューシーな食感が魅力です。外皮はオレンジ色で、温州みかんと比べると厚みはありますが、はっさくよりは薄く、手でむくこともできます。サイズははっさくより少し小さく、直径約8cm、重さ約250gほどのものが多いようです。
甘夏
甘夏は、夏みかんが変異して生まれた品種です。ほろ苦さとすっきりとした甘味が特徴で、果肉を噛むとプチプチとした食感を楽しめます。外皮ははっさくと似ていて黄色寄りのオレンジ色。かためなので包丁などを使ってむくのがおすすめです。サイズははっさくより少し大きく、直径約10cm、重さ約450gほどあります。
はっさくのカロリーや栄養素を比較!
はっさくには、どれぐらいのカロリーや栄養素が含まれているのでしょうか。以下で、はっさくの可食部100gあたりと、1個(350g)の可食部に含まれる栄養素をそれぞれ見てみましょう。
はっさく 生 1個分(350g)可食部288gあたり
栄養素 | 数値(100gあたり) | 数値(288gあたり) | |
---|---|---|---|
エネルギー | 47kcal | 107kcal | |
たんぱく質 | 0.8g | 1.8g | |
脂質 | 0.1g | 0.2g | |
炭水化物 | 11.5g | 26.2g | |
食物繊維 | 1.5g | 3.4g | |
カルシウム | 13mg | 30mg | |
ビタミンC | 40mg | 91mg | |
カリウム | 180mg | 410mg |
はっさく1個分の可食部に含まれるエネルギーは、107kcalです。はっさくには、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きのあるビタミンCが豊富に含まれているのが特徴です。また、ナトリウムの排出を促す効果があるといわれているカリウムも、1個あたり410mg含んでいます。
はっさくの食べ方や保存方法は?
続いて、はっさくの食べ方や保存方法について確認してみましょう!
はっさくの保存方法
はっさくは、日光の当たらない冷暗所で保存します。1~2週間保存することができるといわれていますが、気温が高いときは早めに食べ切るようにしましょう。冷蔵庫で保存する場合は、ラップで包んだりポリ袋に入れたりして乾燥を防ぐとおいしく保存することができますよ。
数日保存すると酸味が抜けるので、酸味が強いと感じた場合は試してみてくださいね。
はっさくの食べ方
はっさくはもちろん生でそのまま食べられます。シャキシャキとした果肉から果汁が出てきて絶品ですよ!冷蔵庫で冷やして食べると、より清涼感が引き立ちます。外皮も活用して、マーマレードジャムを作るのもおすすめ!はっさく特有のほのかな苦味と、さわやかな甘みを楽しめますよ。また、甘さが控えめのはっさくは、サラダにもぴったりです!シャキシャキの果肉と甘酸っぱい味わいがサラダのよいアクセントになりますよ。
はっさくのむき方
はっさくは外皮に厚みがあるので、包丁で切り込みを入れてむくのが一般的です。以下の動画でむき方を確認してみましょう。
はっさくの皮は厚いので、包丁で切り込みを入れると簡単にむくことができますよ。薄皮は、一房ずつ手に取り上部を切り落とすことで、するっときれいにむけます。ほかのかんきつ類にも応用できるやり方なので、ぜひ覚えてみてくださいね。
はっさくを使ったおすすめレシピをご紹介!
さてここからは、はっさくを使ったおすすめレシピをご紹介します。ゼリーやケーキといったスイーツから、お食事メニューのサラダまで、はっさくのおいしさを活かした絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
まるごと はっさくゼリー
まるではっさくそのもの!はっさくゼリーのご紹介です。はっさくの皮を器にしてゼリーを固め、くし切りにしました。甘酸っぱくてなめらかな口当たりは、食後のデザートにもぴったりですよ。ぜひ作ってみてくださいね。
はっさく大福
見た目もかわいらしいはっさく大福を作ってみましょう。求肥にもはっさくの果汁を使い、風味をつけました。はっさくのさわやかな味わいが白あんと相性抜群!電子レンジを使って簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
はっさくの簡単ムース
作ってすぐに食べられる、はっさくのムースはいかがでしょうか。一般的なムースのレシピは冷蔵庫で冷やし固める時間が必要ですが、このレシピでは氷水でボウルを冷やしながら混ぜるので、短時間で仕上がるんです!クリーミーなムースにシャキシャキとした食感の甘酸っぱいはっさくがよく合い、とってもおいしいですよ。
フレッシュ八朔とジャムのロールケーキ
フルーティーなはっさくがアクセントになったロールケーキのレシピをご紹介します。生クリームとマーマレードジャム、はっさくをスポンジケーキで巻きました。はっさくやマーマレードジャムの甘酸っぱさが心地よく、いくつでも食べられそうなおいしさです。
エビと八朔のクレソンサラダ
彩り豊かな、エビと八朔のクレソンサラダを作ってみましょう。ほんのり辛味と苦味のあるクレソンに、旨味たっぷりのエビとさわやかな風味のはっさくが相性抜群!白ワインなどのお酒にもよく合います。彩りがよくパーティーやおもてなしにもぴったりなので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
はっさくのさわやかな味わいを楽しもう!
今回は、はっさくの特徴や食べ方などをおすすめレシピとともにご紹介しました。さわやかな甘酸っぱさの中にほんのりとした苦味もあるのがはっさくの魅力。おやつやデザート、お食事と、さまざまな楽しみ方ができるフルーツです。ぜひ旬のはっさくを見かけたら、手にとってみてくださいね。
