「ラム酒」は甘くほろ苦い風味が魅力ですが、スイーツ作りのために買ってみても、結局は余らせてしまっている方も多いかもしれません。そこで今回は、ラム酒の特徴や味わいをはじめ、その種類やルーツ、おいしい飲み方などをご紹介します。ラム酒の活用レシピもぜひ参考にして、そのおいしさを堪能してみましょう!
ラム酒について知りたい!特徴やアレンジレシピをご紹介
- 目次
- ラム酒とは?
- ラム酒の起源やルーツは?
- ラム酒の種類や特徴は?
- 色による分類
- 原料・製造方法による分類
- おいしい飲み方や活用方法は?
- ストレート・ロック・ホット
- カクテルベース
ラム酒とは?
「ラム酒」とは、サトウキビから造られる蒸留酒(スピリッツ)のこと。サトウキビから砂糖を精製する際に残る廃糖蜜(はいとうみつ)や、絞り汁を蒸留して造られる度数の高い洋酒です。
ラム酒の特徴といえば、カラメルのように甘くほろ苦い風味と、深くなめらかな口当たりです。モヒートやキューバリブレなどカクテルベースとしてはもちろん、パウンドケーキやティラミス、チョコレートなどスイーツの風味づけや、ドライフルーツの保存など幅広く使われています。アルコール度数は40〜50度のものが多いですが、中には約75度とかなり高いものもあります。気になるカロリーは100gあたり237kcalとやや高めですが、蒸留酒なので糖質はほどんど含まれていません。
大ヒットした海賊映画で、海賊たちがラム酒をカブカブと飲むシーンがありますが、実際はストレートで飲むと一口でむせてしまうような強いお酒です。そのため、普段からお酒を楽しんでいる方も注意が必要です。また、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。運転時、スポーツ時、入浴時は摂取をお控えください。
ラム酒の起源やルーツは?
ラム酒の起源は諸説ありますが、キューバをはじめとするカリブ諸島(西インド諸島)発祥と言われています。本来この島にサトウキビは自生していませんでしたが、1492年の新大陸発見の翌年以降ヨーロッパ人に持ち込まれて、大規模なサトウキビ農場が開拓されました。
17世紀ごろから砂糖の生産量が急激に増えると、その副産物である廃糖蜜を使ったラム酒の醸造も盛んになります。ラム酒は貿易の主要品目であったほか、砂糖の製造に従事する労働者や、船乗りや海賊たちの間で親しまれていました。当時は船乗たちが恐れていた壊血病(かいけつびょう)の特効薬と信じられていたので、航海中の飲み物として商船や海賊船に常備されていたそうです。
ラム酒の種類や特徴は?
ラム酒は色や風味、製造方法の違いによって数種類に分けられます。色が薄い方がすっきりとした味わい、濃いほうが香り高く濃厚な味わいになるのが一般的です。それぞれの特徴や違いを詳しく見てみましょう。
色による分類
■ホワイトラム(シルバーラム)
活性炭などで濾過して造られる、無色透明〜淡色のラム酒です。穏やかでデリケートな味わいなので、カクテルベースに最適です。
■ゴールドラム(アンバーラム)
熟成期間3年未満の、黄金色〜薄褐色のラム酒です。ホワイトラムとダークラムの中間のようなほどよいコクと風味があり、カクテルベースとして使われることが多いです。
■ダークラム
3年以上樽熟成させて造られる、濃褐色のラム酒です。甘く芳醇な風味と深いコクがあり、主に焼き菓子の風味づけに使われるほか、ストレートやロックでじっくりと楽しみます。
原料・製造方法による分類
■ライトラム
廃糖蜜と水を混ぜ合わせたものを連続蒸留器で蒸留した、すっきりと軽い味わいのラム酒です。熟成にはホワイトオーク樽やステンレスタンクが使われ、これを活性炭で濾過するとホワイトラムに、濾過しないで造るとゴールドラムになります。
■ミディアムラム
ミディアムラムの製造方法は2種類あります。1つ目は、廃糖蜜を自然発酵させたものを連続蒸留器か単式蒸留器で蒸留する方法、2つ目は、ライトラムとヘビーラムを混ぜ合わせる方法です。ダークラムほど強い個性はなく、バランスのよい風味が特徴です。
■ヘビーラム
廃糖蜜を自然発酵させたものを単式蒸留器で蒸留した、香り高く濃厚な味わいのラム酒です。内側を焦がしたオーク樽やバーボン樽で3年以上熟成させた、力強く個性的な風味があります。
おいしい飲み方や活用方法は?
ラム酒はストレートやロックで楽しむほか、カクテルベースやスイーツの風味づけなど幅広い用途で楽しむことができます。おすすめの活用方法と、おいしい飲み方をいくつかご紹介しましょう。
ストレート・ロック・ホット
ラム酒の風味をじっくりと味わいたいときは、やはりストレートがおすすめです。チューリップ型のブランデーグラスに注いで、少しずつ口に含んで芳醇な風味を楽しみましょう。ストレートは少しキツイと感じる方は、氷を入れたグラスに注いでロックにしたり、お湯で割ってホットラムにするのもおすすめですよ。
カクテルベース
ラム酒を使った代表的なカクテルは、モヒート、ラムコーク、キューバリブレ、ピニャコラーダ、マイタイ、ブルーハワイ、ダイキリ、ボストンクーラー、XYZなどです。柑橘やパイナップルと相性がよいので、お好みのジュースで割るのもおすすめですよ。ラム酒はお好みのもので構いませんが、ほかのリキュールの風味を邪魔しないホワイトラムかゴールドラムがおすすめです。
※『キューバリブレ』は「キューバ リブレ プロダクツ インコーポレイテッド」の登録商標又は商標です。
スイーツの風味づけ
ラム酒はスイーツの風味づけに欠かせないお酒です。代表的なものはティラミス、サバラン、フルーツケーキ、カヌレ、ラムボール、トリュフショコラ、生チョコレートなどです。香り高いダークラムを使うと、風味がグンと増して上品な味わいに仕上げることができますよ。
ドライフルーツのラム酒漬け
ドライフルーツをラム酒に漬けておくと、甘くフルーティーな風味がグンと増します。代表的なものはラムレーズンですが、ドライイチジクやアプリコット、クランベリー、プルーンなどもおすすめです。スイーツの材料はもちろん、ティータイムのおやつや酒のおつまみなど、幅広い活用方法で楽しむことができますよ。
ラム酒の活用レシピをご紹介!
さてここからは、ラム酒の活用レシピをご紹介します。スイーツの風味づけはもちろん、手軽なおつみやカクテルなど、幅広いレシピをピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
おつまみに ラム酒香るレーズンバター
ラム酒を使ったおつまみといえば、香り高いラムレーズンバター。ラムレーズンの風味にバターのコクが溶け合う、まったりと芳醇な風味をぜひお楽しみください!
お家で簡単 カヌレ
フランスの郷土菓子であるカヌレを、身近な材料で簡単に作れるようにアレンジしました。バニラとラム酒がふわっと香る、しっとりとコクのある味わいはまさに絶品ですよ!
とろ〜り本格ティラミス
ふわふわのティラミスも、市販のビスケットを使えば意外と簡単に作ることができます。なめらかなクリームにほろ苦いコーヒー、ラム酒の風味が絶妙にマッチした、大人な味わいは一度食べたらやみつきになること間違いありませんよ!
ガトーバスク
ガトーバスクとはフランスの郷土菓子で、ラム酒入りのクッキー生地にカスタードクリームがたっぷりと入った、贅沢な味わいの焼き菓子です。ティータイムにはもちろん、ラム酒をロックで楽しみながらいただくのもおすすめですよ。
ラム酒香る フルーツケーキ
ラム酒入りのドライフルーツを加えた、芳醇な風味のフルーツケーキです。ドライフルーツは数種類を合わせると、フルーティーな風味がグンと引き立ちます。焼きたてはもちろん冷蔵庫で一晩寝かせると、ラム酒の風味が生地に広がってさらにおいしくなりますよ!
ラム酒香る しっとりパウンドケーキ
ラム酒入りのドライフルーツを加えた、芳醇な風味のフルーツケーキです。ドライフルーツは数種類を合わせると、フルーティーな風味がグンと引き立ちます。焼きたてはもちろん冷蔵庫で一晩寝かせると、ラム酒の風味が生地に広がってさらにおいしくなりますよ!
HMでつくる サバラン
ラム酒をたっぷりと使った、大人な味わいのサバランはいかがでしょうか。ホットケーキミックスで生地を焼けば、あとはシロップを染み込ませるだけで完成する簡単レシピ!口の中でラム酒がじゅわーっと広がる、芳醇な風味をぜひお楽しみください。
オーブン不要 ラム香るラムボール
フードプロセッサーで細かくしたスポンジ生地にラムレーズンを混ぜ込み、チョコレートでコーティングすれば、かわいらしいラムボールのできあがり!ラムレーズンが香る甘い口溶けは、ラム酒がお好きな方にはたまらないおいしさですよ。
ラム酒香る 黒豆とクリームチーズのディップ
わずか10分で作れる、黒豆とクリームチーズのディップです。クリームチーズにラム酒の風味がよく合う、甘くクリーミーな味わいは一度食べたらクセになること間違いなし!ワインのおつまみに、ぜひ作ってみてくださいね。
ラムコーク
ラム酒を使ったカクテルの代表格といえば、ラムコーク。ラム酒をコーラで割ると、個性的な風味が和らいでとても飲みやすくなります。ライムをキュッと絞ってもおいしいので、こちらもぜひお試しください。
ラム酒の芳醇な風味を楽しもう!
今回は、ラム酒の特徴や味わいをはじめ、その種類やルーツ、おいしい飲み方や活用レシピなどをご紹介しました。ラム酒とは、サトウキビから造られる蒸留酒であり、カラメルのように甘くほろ苦い風味が魅力です。スイーツの風味づけに使われることが多いですが、カクテルやおつまみの材料として活用することもできますので、ぜひ手軽にラム酒をお楽しみくださいね。
今回ご紹介したレシピはラム酒を使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。