うなぎの旬は天然と養殖で違うことを知っていますか?土用の丑の日は7~8月ですが、天然うなぎの旬は秋〜初冬だと言われています。夏に食べる習慣があるうなぎの本当の旬はいつなのでしょうか。今回は天然と養殖の旬の違いや土用の丑の日の由来、うなぎの蒲焼きのおいしい食べ方についてご紹介します。記事後半でご紹介している、うなぎのアレンジレシピも必見ですよ!
本当の旬はいつ?おいしい「うなぎ」を食べたい方必見!
- 目次
- うなぎの旬はいつ?
- 天然うなぎの旬は10月〜12月
- 養殖うなぎの旬は6~8月
- なぜ「土用の丑の日」にうなぎを食べるの?
- 謎に包まれた鰻の生態
- うなぎの蒲焼きのおいしい食べ方について
- うなぎのアレンジレシピをご紹介!
- うなぎは一年中楽しめる!
うなぎの旬はいつ?
うなぎの旬は、天然と養殖で異なります。脂がのって本当においしい時期は、天然うなぎなら10月〜12月。一方で、養殖うなぎは一年中安定していますが、食べるタイミングとして人気なのは「土用の丑の日」がある6〜8月です。
「夏が旬」と思われがちなうなぎですが、実際は食べる目的やうなぎの種類によってベストシーズンが違うんです。 それぞれの特徴を知って、うなぎをよりおいしく楽しみましょう。
天然うなぎの旬は10月〜12月
天然うなぎは10月頃からは冬眠に備えて栄養をたっぷりと蓄え、12月頃に冬眠に入ります。そのため、10月~12月頃のうなぎは一番脂がのっておいしいと言われています。
天然うなぎは身体をしっかりと動かしながら成長するので、身が引き締まっていて脂がサラッとしています。川魚特有の香りもあり、身体もひと回り大きいのが特徴です。ただし、近年は絶滅危惧種に指定されているため、希少価値がとても高くその分お値段も高騰しています。
養殖うなぎの旬は6~8月
養殖うなぎには、実は旬というものがありません。徹底した水温管理のもとで育てられているので、一年を通して安定した品質を保つことができるのです。
あえていうならば、日本で一番うなぎの需要が高まるのは夏の時期や「土用の丑の日」なので、6~8月頃に養殖されたうなぎが「旬」といえるでしょう。また、うなぎの養殖が盛んな県は鹿児島、愛知、宮崎など、水がきれいで温暖な地域が多いです。
なぜ「土用の丑の日」にうなぎを食べるの?
先ほどご紹介したように、天然うなぎの旬は秋〜初冬にかけてですが、なぜ7~8月の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があるのでしょうか?
きっかけは江戸時代の販売戦略
その由来は諸説ありますが、江戸時代末期までさかのぼります。当時、夏のうなぎは脂が少なく、あっさりとした味わいだったため人気が出にくい季節でした。そこで、売れ行きに困ったうなぎ屋が、蘭学者の平賀源内に相談したのです。そこで源内は、「丑の日には『う』のつくものを食べると縁起がいい」という語呂合わせを提案してくれたそうです。
本来、土用の丑の日には瓜や梅干し、うどんなど「う」のつくものを食べる習慣があったので、うなぎ屋は「本日 土用の丑の日」と書いた張り紙を掲げて販売したところ、たちまち大繁盛!このことがきっかけで、「土用の丑の日=うなぎを食べる」という文化が定着していったといわれています。
「土用の丑の日」ってどんな日?
また「土用」とは夏だけではなく、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間のことを指します。そのなかで干支の「丑の日」にあたる日が「土用の丑の日」となります。特に夏の土用は、暑さや湿気で体調を崩しやすい時期なのです。
謎に包まれた鰻の生態
うなぎは、川や湖などの淡水で成長し、産卵のために海へ戻るという珍しい習性を持つ魚です。このような魚は「降河回遊魚(こうかかいゆうぎょ)」と呼ばれ、その生態にはいまだ多くの謎が残されています。
日本で食べられているのは「ニホンウナギ」
日本で多く食べられているうなぎは、ニホンウナギという品種です。ニホンウナギは川や湖で成長した後、日本から2000km以上離れた西マリアナ海嶺まで移動して産卵します。そこで孵化した仔魚はまだ自力で泳ぐ力がないので、黒潮に流されながら日本や台湾、韓国などの東アジアにたどり着きます。そこで沿岸に近づいた後、さかのぼるのに適した河川を選んで川をのぼり、淡水での生息域を確保するのです。
まだまだ解明されていない部分も多い
ニホンウナギがどのようなルートで西マリアナ海嶺にたどり着くのか、孵化直後の仔魚は何を食べて成長しているのかは、いまだに明らかになっていません。そのため、このため、うなぎを卵から育てる「完全養殖」の技術は研究段階にあり、まだ商業化には至っていないのが現状です。
うなぎの蒲焼きのおいしい食べ方について
ご家庭でうなぎを食べるときは、蒲焼きを温め直すことが多いですよね。蒲焼きを電子レンジで温める方も多いと思いますが、ほんのひと手間かけるとグンとおいしさが引き立ちますよ!市販のうなぎの蒲焼きやうなぎ屋さんの蒲焼きの温め方や、蒲焼のタレの作り方についてご紹介します。
市販のうなぎの蒲焼きの温め方
少し手間はかかりますが、難しい工程は一切ありません。これだけで驚くほどおいしい蒲焼きに仕上がるので、ぜひ試してみてくださいね。
①湯通しする(臭み・余分な脂を落とす)
市販の蒲焼きをバットなどにのせ、熱湯をひたひたにかけて浸します。その後、湯を切って軽く水気を拭きましょう。
⭐️管理栄養士からのコメント⭐️
湯通しすることで、タレのべたつきや臭み、余分な脂を除き、より上品な味わいになります。
②フライパンでタレと一緒に温める
フライパンに付属のたれ(または市販のうなぎのたれ)と料理酒を入れて中火にかけます。煮立ったら、湯通ししたうなぎを入れ、加熱します。
③煮汁が少なくなってツヤが出てきたら完成のサイン
蓋をし、煮汁が少なくなりツヤが出るまで弱火で煮たら完成です。詳しい時間や手順は動画をチェックしてくださいね。
ふっくら美味しい市販のうなぎの温め方
うなぎのアレンジレシピをご紹介!
うなぎについて詳しく知ると、香ばしい蒲焼きが食べたくなりますよね!さてここからは、うなぎをさらにおいしく食べるためのアレンジレシピをご紹介します。うなぎの炊き込みごはんや鰻ざく、カルボナーラ風など、普段とはひと味違うおいしさを楽しみたいときに、ぜひお試しくださいね。
うなぎと枝豆の炊き込みご飯
うなぎと枝豆を使った、少し贅沢な炊き込みごはんです。ふっくらとしたうなぎはもちろん、旨味がじんわりと染み込んだごはんがたまらないおいしさ!枝豆の彩りもよく、おもてなしの一品としても喜ばれますよ。
うなぎと炒り卵のひと口手まり寿司
かわいらしいサイズのうなぎと炒り卵の手まり寿司をご紹介します。香ばしいうなぎにほんのりと甘い炒り卵がよく合う、ふんわりとやさしい味わいの一品です。一口サイズで食べやすいので、ホームパーティーなどにおすすめですよ。
さっぱり 鰻ざく
うな丼の副菜には、さっぱりとした鰻ざくがおすすめです。三杯酢の酸味やきゅうりの食感がいいアクセントになり、うなぎが驚くほどさっぱりといただけますよ。とても簡単に作ることができるので、ぜひお試しくださいね。
大葉入り 鰻の厚焼き卵
うまきに大葉を加えて、爽やかな風味をプラスしました。うなぎと卵はとても相性がよく、ふっくらと甘く香ばしい味わいをお楽しみいただけますよ。うなぎのカサ増しにもなるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
ウナギのカルボナーラ風
意外な組み合わせが後を引く、うなぎのカルボナーラ風パスタです。うなぎをカルボナーラにするとは驚きですが、たれの甘味に卵のまろやかさ、バターのコクが絶妙にマッチして驚くほどおいしいですよ!普段とはひと味違ううなぎ料理を楽しみたいときに、ぜひお試しください。
香味ソースで食べる 鰻の蒲焼き
うなぎに薬味をたっぷりと合わせて、さっぱりとした味わいに仕上げました。ポン酢の爽やかな酸味が食欲をそそり、暑い季節でもお箸がどんどん進みますよ!お酒のおつまみとしてはもちろん、ごはんのおかずにもぴったりです。
うなぎは一年中楽しめる!
今回は、うなぎの旬をはじめ、土用の丑の日の由来や天然と養殖の違い、うなぎのアレンジレシピなどをご紹介しました。天然うなぎの旬は秋〜初冬にかけてですが、養殖物は一年を通しておいしくいただくことができます。
うなぎは丼にするのが定番ですが、酢の物や卵焼き、炊き込みごはんなどにしてもおいしいですよ!クラシルでは、ほかにもたくさんのうなぎレシピをご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

