フランスの伝統的な料理である「コンフィ」。今回は、コンフィの特徴をはじめ、アヒージョとの違いやおすすめのレシピなどをご紹介します。コンフィは一見ハードルが高そうですが、作り方が分かれば、ご家庭でも作ることができますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
コンフィってどんな料理?由来やアヒージョとの違いを解説!

- 目次
- コンフィとは?
- コンフィの魅力
- コンフィの作り方
- アヒージョとの違いは?
- フルーツにもコンフィがある?
- ドライフルーツとコンフィの違い
- コンフィのレシピをご紹介!
- 鶏もも肉のコンフィ
コンフィとは?
「コンフィ(confit)」とはフランス料理の一種で、食材を低温の油でじっくりと煮た料理のこと。語源はフランス語の「コンフィル(confire)」で、日本語では「保存する」という意味になります。コンフィは冷蔵技術が発達していなかった時代に、肉料理を長期保存するために考案された調理法です。肉を油で煮てそのまま冷ますことで、油脂が食品を覆い、空気や水分を遮断することで保存性が高まるとされています。
コンフィの魅力
本来は鴨やガチョウなどの水鳥に用いられる調理法でしたが、現代では鶏肉や豚肉、砂肝、レバーなどの肉類の他、牡蠣やイワシなどの魚介類にも使われます。低温の油でじっくりと加熱することで肉汁を逃さずジューシーに仕上がるうえ、ホロホロとやわらかい食感を楽しむことができます。
グリルやローストと見た目がよく似ていますが、それは表面をカリッと焼き上げてから提供しているから。外はカリッと香ばしく中はホロっとやわらかい、その食感の違いこそがコンフィの醍醐味なのです。
コンフィの作り方
コンフィの代表的な作り方は、まずは肉や魚に塩やハーブをまぶして冷蔵庫で寝かせて臭みをとり、しっかりと味を染み込ませます。次に食材と油を鍋に入れて弱火にかけ、70〜90℃を保ちながら数時間かけてじっくりと煮込みます。おいしく作るためのポイントは、やはり油の温度を70〜90℃を保ちながら煮ること。温度は見た目では分かりにくいので、温度計を使って測るのが確実です。
また、コンフィはそのままでもおいしいですが、仕上げにフライパンで表面をカリッと焼くと香ばしい風味を楽しむことができます。メインディッシュとしていただくのはもちろん、細かくほぐしてサラダやサンドイッチの具材にするのもおすすめです。お好みでマスタードやヴィネグレットソースなど、酸味のあるソースを添えてお召し上がりくださいね。
アヒージョとの違いは?
コンフィと同じような料理に「アヒージョ」がありますが、こちらはスペインの代表的な「タパス(小皿料理)」のひとつ。アヒージョはスペイン語で「にんにく風」という意味で、刻みにんにく入りのオリーブオイルで食材をサッと煮た料理のことを指します。
コンフィとの大きな違いは、食材を高温のオリーブオイルで短時間で煮ることです。使われる食材はエビやイカ、鶏肉、砂肝、マッシュルームなど幅広く、にんにくの風味が絡んだ具材はもちろん、旨味がしみ出たオリーブオイルにバゲットを浸していただくのが一般的な食べ方です。
フルーツにもコンフィがある?
コンフィは「保存性を高めるために食材を浸す料理」の総称なので、フルーツの砂糖漬けも「コンフィ」に含まれます。本場フランスではレモンやオレンジ、さくらんぼ、いちご、パイナップルなどさまざまな種類があり、高価なものはギフトとしても人気があります。日本でも、オレンジの皮のコンフィに砂糖やチョコレートをかけたものを見かけますよね。
ドライフルーツとコンフィの違い
見た目はドライフルーツによく似ていますが、コンフィの方が水分が多くねっとりとした食感をしています。砂糖のしっかりとした甘味を感じながらも、フルーツ本来の風味を味わうことができるので、コーヒーや紅茶のお供にぴったりです。パウンドケーキに混ぜて焼いたりケーキにトッピングしたりと、ほかのスイーツの具材として活用されることもあります。
コンフィのレシピをご紹介!
さてここからは、おすすめのコンフィレシピをご紹介します。コンフィをおうちで作るのは難しそうなイメージがありますが、食材を油で煮るだけなので意外と簡単にお作りいただけますよ!ホロッとやわらかくしっとりした食感を、ぜひお楽しみくださいね。
鶏もも肉のコンフィ
オリーブオイルでじっくりと煮込んだ鶏もも肉は、やわらかくジューシーな味わい!簡単に作れて豪華に見えるので、特別な日のメインディッシュにぴったりですよ。
レバーと砂肝のコンフィ
リーズナブルなレバーと砂肝も、コンフィにすることで絶品おつまみに大変身します!レバーはねっとり、砂肝はコリコリとしていて、食感の違いが楽しく、ついついお酒が進んでしまうこと間違いありませんよ!
手羽先とレモンのコンフィ
鍋では温度管理が難しいと感じる方は、オーブンを使うのがおすすめです。オーブンで温度と時間を設定すれば、失敗が少なく手軽にお作りいただけますよ!こちらのレシピでは鶏手羽先にレモンを合わせて、しっとりとやわらかく爽やかな風味に仕上げました。ワインのおつまみにぴったりですので、ぜひお試しください。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W150℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
豚肉とドライトマトのコンフィ
歯ごたえのある豚肩ロース肉も、コンフィにすることでしっとりとやわらかく仕上げることができます。口の中で肉汁がじゅわーっとあふれる、ジューシーな味わいをぜひお楽しみください!
旨味たっぷり 牡蠣のコンフィ
前菜やおつまみにぴったりな牡蠣のコンフィのご紹介です。コンフィとは低温の油でじっくりと煮込む調理法です。じっくりと火を通し、旨味をぎゅっととじこめ、ジューシーに仕上げました。おもてなしの際にもおすすめの一品です。ぜひお試しくださいね。
ホロっとやわらかい食感を楽しんで
いかがでしたか?コンフィの特徴をはじめとして、アヒージョとの違いやおすすめのレシピなどをご紹介しました。本来コンフィは保存食ですが、冷蔵技術が発達した現在でもそのおいしさから人気のフランス料理のひとつとなっています。ホロっとやわらかくジューシーな食感は格別ですので、ぜひ一度そのおいしさをお楽しみくださいね。
クラシルでは、ほかにもコンフィのレシピをご紹介しています。ぜひ参考にして、日々の料理に取り入れてみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。
