もっちりとした食感とドーナツのような形が特徴の「ベーグル」。ほどよい弾力と噛みごたえがあっておいしいですよね。この記事ではベーグルの特徴や普通のパンとの違いに加え、基本の作り方やアレンジ方法などをご紹介します。記事後半のクランベリーチョコベーグルやつぶあん和風ベーグルなど絶品レシピも必見ですよ!
ベーグルと普通のパンは何が違う?パン作り初心者さんにもおすすめレシピをご紹介
- 目次
- ベーグルとは?
- 材料や味わい
- 食感
- 生地
- 歴史
- ベーグルと普通のパンの作り方の違いとは?
- 1度の発酵でも作れる
- ゆでる
ベーグルとは?
ベーグルとは、もっちりとした食感と、見た目がドーナツのような形状のパンです。牛乳やバター、卵などを使わずにシンプルな材料だけで作ることができます。ここからは詳しい材料や特徴、ベーグルの歴史をチェックしてみてましょう!
材料や味わい
ベーグルの主な材料は強力粉や塩、イースト菌、砂糖です。基本的に牛乳やバター、卵などを使わないため、普通のパンより脂質が少なくあっさりとした味わいでヘルシーだと言われています。また、材料がシンプルなので小麦本来の風味や味わいをストレートに感じられるのが特徴。噛めば噛むほど豊かな小麦の味が広がります。
食感
ベーグルの表面はつるりとしていて、内側はもちもちした特有の食感をしています。弾力が強く噛みごたえも抜群で、この食感がクセになるという人も少なくありません。生地がずっしりと詰まっているので、噛む回数が多くなり満腹中枢を刺激することから少ない量でも満足感を感じやすいのもポイントです。
生地
パンには大きく分けてリーンな生地のパンとリッチな生地のパンがあり、ベーグルはリーン系のパンに分類されます。リーン系は小麦や水、塩など材料が少なく素朴な味わいのタイプを指します。それに対してリッチ系はバターや牛乳、卵などが使用されていて甘くやわらかです。
歴史
ニューヨークでは定番のパンとして知られており、もともとはユダヤ人が宗教食として昔から食べていたパンがベーグルとして定着したという説が有力です。アメリカやヨーロッパではとてもメジャーなパンですが、日本でも2000年頃から広まりはじめました。現在ではあちらこちらにベーグル専門店ができるほど人気のパンとなっています。
ベーグルと普通のパンの作り方の違いとは?
ベーグルは普通のパンと比べて作り方にも大きな違いがあります。以下、2つの違いについて解説します。
1度の発酵でも作れる
一般的に、パンはこねたあとと形成後に2回発酵させますが、ベーグルは発酵が1回でよいのも大きな特徴です。発酵時間が短く合計2時間ほどで完成するため、思い立ったらすぐに作れます。普通のパンと作り方が違うので難しそうに思われがちですが、実はパン作りを始めたばかりの人にとってもチャレンジしやすいパンなんですよ。
ゆでる
パンは一般的に発酵させた生地をそのまま焼きあげますが、ベーグルには発酵させて形を整えたら焼く前に生地をゆでる工程があるのです。このゆでる作業のことを「ケトリング」と言います。ケトリングすることによって生地の中のでんぷんが糊化し、焼きあげる際にぎゅっと目の詰まった生地に仕上がります。これがベーグル特有の重量感のある食感を生み出すのです。また、ケトリングの際には生地が膨張します。一度膨張した生地を焼くと、膨らみが抑えられてもっちりと弾力のある食感のベーグルができあがります。
ベーグルの基本の作り方
ベーグルと普通のパンの作り方の違いがわかったところでここからは、ベーグルの基本の作り方を詳しくご紹介します。
【材料】(4個分)
- 強力粉 250g
- 砂糖 10g
- 塩 5g
- ドライイースト 3g
- お湯 (40℃) 140ml
- 熱湯 (ゆでる用) 適量
- 砂糖(ゆでる用) 大さじ1
【手順】
①ボウルに強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、40℃のお湯を入れて混ぜ、ひとまとまりにする。
②作業台の上にのせ、5分ほどこねる。
②生地がなめらかになったら4等分にして、丸める。
③濡れ布巾をかけて15分休ませる。(ベンチタイム)
④麺棒でのばして棒状にし、生地のとじめをなじませる。
⑤右端を潰して左端を包むようにドーナツ型に成形する。
⑥クッキングシートに生地をのせ、濡れ布巾をかける。オーブンの発酵機能を使い、約35℃で20分発酵させる。
⑦発酵している間に鍋に熱湯と砂糖を入れて沸かす。
⑧発酵が終わったらオーブンから取り出し、オーブンを200℃に予熱する。
⑨鍋の火をごく弱火にして、生地を入れて片面30秒ずつゆでる。(ケトリング)
⑩素早く水気を切り、天板に並べる。200℃のオーブンで20分焼き、粗熱を取る。
おいしく作るポイント
おいしいベーグルを作るための、おさえておきたいポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
よくこねる
こねる作業によってパンの弾力を生み出すグルテンができるので、しっかり行いましょう。ベーグルはリッチ系のパンに比べると生地が固いので、体重をかけながらしっかりとこねるのがポイントです。
ベンチタイムをとる
成形前に、乾燥しないようふきんをかけ、生地を休ませる時間をとります。これをベンチタイムと呼びます。ベンチタイムをとるのは弾力が強くなった生地をゆるませ、成形しやすくするのが目的です。
とじ目はしっかり
ベンチタイムが終わったら、生地を長い棒状にして、片方の端でもう片方を包みリング状に成形します。生地が短いと真ん中に空洞ができないので、注意してくださいね。また、生地のとじ目はしっかりなじませながらとめましょう。ゆでている時や、焼いている時にとじめが離れてしまいますよ。
発酵させる
成形したベーグルを温かい場所に置き、生地が倍くらいに膨らむまでよく発酵させます。冬場や涼しい環境の場合はオーブンの発酵機能を使うと発酵が進みますよ。
お湯の温度とゆで時間
火加減は弱火に調整し、85℃前後のお湯にしてからゆでましょう。沸騰した状態でゆでてしまうと、生地の表面が荒れてしまう原因になります。砂糖の代わりにはちみつやモラセスを使うと、焼き上がりの色味やツヤに変化がありますよ。
ゆで時間は片面30秒ずつ、すばやくゆでます。長くゆですぎるとシワができる原因になります。裏返すときには、生地の表面を傷つけないように穴あきレードルやアク取り網、フライ返しなどでそっと裏返しましょう。
すばやく焼き上げる
ゆでたらよく水気を切り、すぐに予熱をしておいたオーブンで加熱します。ゆでている間にオーブンの予熱が完了しているように設定しましょう。焼きあがったら、蒸れないように網の上で冷ましましょう。
ベーグルにはいろいろな種類がある
プレーンのベーグルは小麦の風味ともっちりした弾力を堪能できる素朴な味わいが魅力です。プレーン以外にもさまざまな具材を生地に練り込んだものや、トッピングしたものなど、いろいろな種類のベーグルがあります。
定番なのはチョコチップやクランベリーなどのドライフルーツを加えたスイーツのようなベーグル。チーズやナッツを加えたものも風味豊かでおいしいですよ。ケシの実やセサミ、ひまわりの種をトッピングしたものなどもよく見られます。
さらに生地そのものにコーンやトマト、抹茶などが練りこまれたものなど、さまざまなバリエーションがあるのできっとお好みのものが見つかるはずです!
また、ベーグルをサンドイッチにするアレンジも人気があります。本場ニューヨークでは、ベーグルアンドロックスというスモークサーモンとクリームチーズを挟んだものが定番です。小エビにアボカドとレタスを加えたものや、旬のフルーツとクリームチーズを挟むのもおすすめですよ。
バラエティ豊かなベーグルのアレンジレシピをご紹介
ベーグルの特徴や作り方がわかったところでここからは、ベーグルのさまざまな味わいが楽しめるアレンジレシピをご紹介します。食事向けのものからおやつ感覚でいただけるものまでピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
お家で作る クランベリーチョコベーグル
手ごねで作るクランベリーチョコベーグルのご紹介です。ココア生地を練り込んだパン生地に甘酸っぱいクランベリーとチョコチップを加えました。クランベリーの酸味がビターな生地とよく合いますよ!おやつにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね!
とろーり チーズベーグル
とろ~り中からチーズが出てくる絶品ベーグルのレシピです。生地にピザ用チーズをのせて、包むように成形しました。表面にトッピングしたスパイシーな黒こしょうがチーズと相性抜群です!お酒にもよく合うので、ぜひ召し上がってみてくださいね。
クリームチーズプルーンベーグル
朝食やおやつにぴったりなクリームチーズプルーンベーグルを作ってみませんか?ねっとりと甘酸っぱいドライプルーンと濃厚なクリームチーズが絶品で、もっちりした弾力のある生地とよく合います!いつものベーグルにひと手間加えるだけで簡単にお作りいただけるので、ぜひお試しくださいね。
紅茶とホワイトチョコのベーグル
もっちりベーグルをおうちで作ってみましょう!紅茶の上品な香りと濃厚なホワイトチョコの甘みがよく合い、朝食にもおやつにもぴったりな一品です。チョコレートはお好みのものを使ってもおいしく作れますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
もちもち 米粉の黒ごまチーズベーグル
もちもち食感が楽しい米粉の黒ごまチーズベーグルです。生地に強力粉だけでなく米粉も加えているので、もっちりとした強い弾力に仕上がり食べごたえ満点!風味豊かな黒ごまとカリッと香ばしいチーズが食欲をそそる一品です。ぜひ焼きたてのうちにお召し上がりくださいね。
手ごねで作ろうつぶあん入り和風ベーグル
あんこ好きさんにおすすめ!つぶあん入りの和風ベーグルはぜひお試しいただきたい一品です。もっちりしたベーグルとつぶあんの組み合わせはまるで和菓子のようでとてもおいしいですよ!しっかりと食べごたえもあるので、朝食にも最適です。この機会にぜひ作ってみてくださいね。
抹茶と甘納豆のベーグル
抹茶パウダーを練り込んだ生地に甘納豆を加えて焼きあげました。抹茶がふわっと香る生地に、甘納豆の上品でやさしい甘みがアクセントになってクセになるおいしさ!甘納豆をくるみやホワイトチョコレートなどにアレンジするのもおすすめですよ。ぜひお試しください。
アレンジ自在!初心者でもチャレンジしやすいベーグル
今回はベーグルの特徴や普通のパンとの違いに加え、基本の作り方や絶品アレンジレシピなどをご紹介しました。材料や作り方が普通のパンとはかなり違うものの、作る時間が短くアレンジも豊富なのでパン作り初心者の方にもチャレンジしやすいことがおわかりいただけたのではないでしょうか?今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひおうちでおいしいベーグルを作ってみてくださいね。
※ベーグルの生地をゆでる際にはちみつを使用する場合は、1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 仕上がりのつやに違いが出ますが、同量の砂糖で代用、または何も入れないお湯でもお作りいただけます。