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ベーグルと普通のパンは何が違う?作り方のポイントや初心者さんにもおすすめレシピをご紹介

ベーグルと普通のパンは何が違う?作り方のポイントや初心者さんにもおすすめレシピをご紹介

もっちりとした食感とドーナツのような形が特徴の「ベーグル」。ほどよい弾力と噛みごたえがあっておいしいですよね。この記事ではベーグルの特徴や普通のパンとの違いに加え、基本の作り方やアレンジ方法などをご紹介します。記事後半のクランベリーチョコベーグルやつぶあん和風ベーグルなど絶品レシピも必見ですよ!

  • 目次
  • ベーグルとは?
  • ベーグルは「リーン」なパンに分類
  • 歴史
  • ベーグルと普通のパンの作り方の違いとは?
  • ベーグルをおいしく作るポイント
  • ベーグルにはいろいろな種類がある
  • バラエティ豊かなベーグルのアレンジレシピをご紹介
  • アレンジ自在!初心者でもチャレンジしやすいベーグル

ベーグルとは?

ベーグルとは、もっちりとした食感と、焼く前にゆでる工程が特徴のリング状のパンです。牛乳やバター、卵を使わず、シンプルな材料だけで作れるのも魅力のひとつ!まずは、ベーグルの生地や歴史について詳しく見ていきましょう!

ベーグルは「リーン」なパンに分類

🌟生地の種類&代表的なパン例🌟
・リーン系(ベーグル、フランスパン、パン・ド・カンパーニュなど)
・リッチ系(ブリオッシュ、クロワッサン、デニッシュなど)

パンには大きく分けて2つの種類、【リーンな生地のパン】と【リッチな生地のパン】があり、ベーグルはそのうちのリーン系に分類されます。

「リーン(lean)」とは英語で「簡素な」「脂肪分の少ない」という意味があり、小麦粉・水・塩など、シンプルな材料で作られる、素朴な味わいのパンを指します。 それに対して「リッチ(rich)」は「豊かな」という意味で、バターや牛乳、卵、砂糖などを加えた、甘くて、脂肪分や糖分が多いパンを表します。このように、材料の配合の違いによって分類されているのです。

歴史

ベーグルは、ニューヨークではとても人気のある定番のパンです。もともとは16世紀のポーランドでユダヤ人の人々が作り始めたとされています。この時、宗教的な理由で、乳製品や卵を使わずに作られていました。ベーグルの特徴は、一度水で茹でてから焼くこと。この方法で作ると保存がきき、長い間食べられるようになっていたのです。

19世紀になると、ユダヤ系移民と一緒にアメリカにも伝わり、特にニューヨークでとても人気が出ました。日本では2000年頃から広まり始め、今ではたくさんのベーグル専門店が登場するほど人気のパンになっています。

ベーグルと普通のパンの作り方の違いとは?

ベーグルと普通のパンには作り方や味わいにいくつかの特徴的な違いがあります。その違いを理解すると、ベーグルの魅力がもっと深くわかりますよ!どんな違いがあるのか、さっそく見ていきましょう。

項目 ベーグル 普通のパン(例:クロワッサン)

材料
強力粉、砂糖
塩、イースト菌、水
強力粉、砂糖、
塩、イースト菌、水
スキムミルクバター、卵
味わい あっさり
小麦の風味を感じる
濃厚、甘い
バターの旨みを感じる
食感 外側はつるり
内側はもちもち
外側がサクサク
内側がふわふわ
発酵回数 1~2回 2回
発酵時間 短時間
(15~50分などお好みで)
1~2時間
焼き方 一度ゆでてから
オーブン200~220℃で焼く
そのまま
オーブン180~200℃で焼く

材料や味わい

ベーグルの主な材料は強力粉や塩、イースト菌、砂糖です。基本的に牛乳やバター、卵などを使わないため、普通のパンより脂質が少なくあっさりとした味わいでヘルシーだと言われています。また、材料がシンプルなので小麦本来の風味や味わいをストレートに感じられるのが特徴。噛めば噛むほど豊かな小麦の味が広がります。

食感

ベーグルの表面はつるりとしていて、内側はもちもちした特有の食感をしています。弾力が強く噛みごたえも抜群で、この食感がクセになるという人も少なくありません。生地がずっしりと詰まっているので、噛む回数が多くなり満腹中枢を刺激することから少ない量でも満足感を感じやすいのもポイントです。

1回の発酵でも作れる

一般的にパンは、こねたあとと成形後の2回発酵が必要ですが、ベーグルは1回だけの発酵で作れるのが大きな特徴です。発酵時間は15分〜50分ほどで、室温や好みに応じて調整でき、生地の食感にも違いが出ます。普通のパンとは作り方が少し違うため難しく感じるかもしれませんが、実はパン作り初心者でも挑戦しやすいパンなんですよ。

ゆでる

パンは一般的に発酵させた生地をそのまま焼きあげますが、ベーグルには発酵させて形を整えたら焼く前に生地をゆでる工程があるのです。このゆでる作業のことを「ケトリング」と言います。ケトリングすることによって生地の中のでんぷんが糊化し、焼きあげる際にぎゅっと目の詰まった生地に仕上がります。

これがベーグル特有の重量感のある食感を生み出すのです。また、ケトリングの際には生地が膨張します。一度膨張した生地を焼くと、膨らみが抑えられてもっちりと弾力のある食感のベーグルができあがります。焼き方は、予熱したオーブンで200〜220℃前後で約15〜20分で、普通のパンよりやや高温です。焼き加減によって、皮の香ばしさや食感に違いが出るのも楽しいポイントです。

【まとめ】ベーグルの魅力

ベーグルは、材料や作り方、そして食感において、普通のパンとは大きく異なる特徴を持っています。材料がシンプルで低脂質なため、ヘルシーなのも魅力のひとつ。外はつるんと、中はもちもちでずっしりとした食べごたえがあり、少量でも満足感があります。発酵は1回だけでOKなので、時間をかけずに作れるのも嬉しいポイント!さらに、ゆでてから焼くという独特な工程が、ベーグルならではの食感を生み出します。シンプルなのに奥深いからこそ、ベーグルは多くの人に愛され続けているのかもしれません。

材料も工程も比較的少ないため、パン作り初心者の方にもぴったりです。ぜひベーグルを手作りして、その魅力を味わってみてくださいね!

ベーグルをおいしく作るポイント

ここからは、おいしいベーグルを作るための、おさえておきたいポイントを手順に沿ってご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

①材料を準備し、こねる

準備した材料をボウルに入れ、生地をひとまとまりにして約5分間しっかりこねます。

⭐️クラシルシェフからのポイント⭐️
台に生地をこすりつけるようにしてこね、押しまとめ、転がしながら、休まずにこねましょう。体重をかけて、パンの弾力を生み出すグルテンを作ることが大切です!

②生地を分割し、ベンチタイムをとる

デジタルスケールなどでこねた生地を計量しながら分割します。ひとつずつ丸めたら、乾燥しないようふきんをかけて生地を休ませる時間(約10分間)をとります。これを「ベンチタイム」と呼びます。ベンチタイムをとるのは弾力が強くなった生地をゆるませ、成形しやすくするのが目的です。

③成形後、発酵する

ベンチタイムが終わったら、生地を長い棒状にして、片方の端でもう片方を包みリング状に成形します。成形したベーグルを温かい場所に置き、生地が倍くらいに膨らむまでよく発酵させます。冬場や涼しい環境の場合はオーブンの発酵機能を使うと発酵が進みますよ。

⭐️クラシルシェフからのポイント⭐️
生地が短いと真ん中に空洞ができないので、注意してくださいね。また、生地のとじ目はしっかりなじませながらとめましょう。ゆでている時や、焼いている時にとじめが離れてしまいますよ。

④オーブンを予熱し、ケトリングする

ケトリング後すぐにオーブンで焼けるように、前もってオーブンを予熱します。鍋にお湯が沸いたら、砂糖を加え、火加減は弱火に、85℃前後のお湯に調整します。

⭐️クラシルシェフからのポイント⭐️
砂糖の代わりにはちみつやモラセスを使うと、焼き上がりの色味やツヤに変化がありますよ。また、お湯が沸騰した状態であったり、長い時間ゆでると、生地の表面がシワになり荒れてしまう原因になります。

ベーグルをやさしくお湯に入れ、ゆで時間は片面30秒ずつ、すばやくゆでます。裏返すときには、生地の表面を傷つけないように穴あきレードルやアク取り網、フライ返しなどでそっと裏返しましょう。

⭐️クラシルシェフからのポイント⭐️
ベーグルは、成形した生地の大きさに合わせてカットしたオーブンシートに1個ずつのせて準備しておくのがおすすめです。シートごとお湯に入れることで、生地の形を崩さずにゆでられます。数秒でシートが自然にはがれるので、そのタイミングでトングなどを使ってやさしく取り除きましょう。

⑤すばやく焼き上げる

ゆでたらよく水気を切り、すぐに予熱をしておいたオーブンで加熱します。焼きあがったら、蒸れないように網の上で冷ましましょう。

ベーグルにはいろいろな種類がある

プレーンのベーグルは小麦の風味ともっちりした弾力を堪能できる素朴な味わいが魅力です。プレーン以外にもさまざまな具材を生地に練り込んだものや、トッピングしたものなど、いろいろな種類のベーグルがあります。

定番なのはチョコチップやクランベリーなどのドライフルーツを加えたスイーツのようなベーグル。チーズやナッツを加えたものも風味豊かでおいしいですよ。ケシの実やセサミ、ひまわりの種をトッピングしたものなどもよく見られます。

さらに生地そのものにコーンやトマト、抹茶などが練りこまれたものなど、さまざまなバリエーションがあるのできっとお好みのものが見つかるはずです!

また、ベーグルをサンドイッチにするアレンジも人気があります。本場ニューヨークでは、ベーグルアンドロックスというスモークサーモンとクリームチーズを挟んだものが定番です。小エビにアボカドとレタスを加えたものや、旬のフルーツとクリームチーズを挟むのもおすすめですよ。

バラエティ豊かなベーグルのアレンジレシピをご紹介

ベーグルの特徴や作り方がわかったところでここからは、ベーグルのさまざまな味わいが楽しめるアレンジレシピをご紹介します。食事向けのものからおやつ感覚でいただけるものまでピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

お家で作る クランベリーチョコベーグル

手ごねで作るクランベリーチョコベーグルのご紹介です。ココア生地を練り込んだパン生地に甘酸っぱいクランベリーとチョコチップを加えました。クランベリーの酸味がビターな生地とよく合いますよ!おやつにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね!

とろーり チーズベーグル

とろ~り中からチーズが出てくる絶品ベーグルのレシピです。生地にピザ用チーズをのせて、包むように成形しました。表面にトッピングしたスパイシーな黒こしょうがチーズと相性抜群です!お酒にもよく合うので、ぜひ召し上がってみてくださいね。

クリームチーズプルーンベーグル

朝食やおやつにぴったりなクリームチーズプルーンベーグルを作ってみませんか?ねっとりと甘酸っぱいドライプルーンと濃厚なクリームチーズが絶品で、もっちりした弾力のある生地とよく合います!いつものベーグルにひと手間加えるだけで簡単にお作りいただけるので、ぜひお試しくださいね。

紅茶とホワイトチョコのベーグル

もっちりベーグルをおうちで作ってみましょう!紅茶の上品な香りと濃厚なホワイトチョコの甘みがよく合い、朝食にもおやつにもぴったりな一品です。チョコレートはお好みのものを使ってもおいしく作れますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

もちもち 米粉の黒ごまチーズベーグル

もちもち食感が楽しい米粉の黒ごまチーズベーグルです。生地に強力粉だけでなく米粉も加えているので、もっちりとした強い弾力に仕上がり食べごたえ満点!風味豊かな黒ごまとカリッと香ばしいチーズが食欲をそそる一品です。ぜひ焼きたてのうちにお召し上がりくださいね。

手ごねで作ろうつぶあん入り和風ベーグル

あんこ好きさんにおすすめ!つぶあん入りの和風ベーグルはぜひお試しいただきたい一品です。もっちりしたベーグルとつぶあんの組み合わせはまるで和菓子のようでとてもおいしいですよ!しっかりと食べごたえもあるので、朝食にも最適です。この機会にぜひ作ってみてくださいね。

抹茶と甘納豆のベーグル

抹茶パウダーを練り込んだ生地に甘納豆を加えて焼きあげました。抹茶がふわっと香る生地に、甘納豆の上品でやさしい甘みがアクセントになってクセになるおいしさ!甘納豆をくるみやホワイトチョコレートなどにアレンジするのもおすすめですよ。ぜひお試しください。

アレンジ自在!初心者でもチャレンジしやすいベーグル

今回はベーグルの特徴や普通のパンとの違いに加え、基本の作り方や絶品アレンジレシピなどをご紹介しました。材料や作り方が普通のパンとはかなり違うものの、作る時間が短くアレンジも豊富なのでパン作り初心者の方にもチャレンジしやすいことがおわかりいただけたのではないでしょうか?今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひおうちでおいしいベーグルを作ってみてくださいね。

※ベーグルの生地をゆでる際にはちみつを使用する場合は、1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 仕上がりのつやに違いが出ますが、同量の砂糖で代用、または何も入れないお湯でもお作りいただけます。

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2025.3.3 最終更新

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