杏仁豆腐のトッピングでおなじみの「クコ(枸杞)の実」。海外ではゴジベリーという名で知られていますが、具体的にはよくわからないという方も少なくないようです。そこで今回は、クコの実の特徴について解説します。ほかの果実との違いやおすすめの食べ方に加え、おすすめのレシピもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
クコの実ってなに?味や特徴、おすすめの食べ方をご紹介!
- 目次
- クコの実とは
- 生のままでは食べない?クコの実とほかの実との違い
- 杏仁豆腐だけじゃない!クコの実の食べ方
- 実だけじゃない!茎や葉の利用も
- 味と彩りのアクセントに!クコの実を使ったスイーツレシピ
- スパイスと合わせて!クコの実を取り入れたごはんレシピ
- バリエーション豊か!クコの実で料理の幅を広げよう
クコの実とは
「クコの実」とは、ナス科クコ属に属する植物の果実のことで「ゴジベリー」や「ウルフベリー」とも呼ばれています。杏仁豆腐の上にちょこんとのっている、赤っぽい色をした細長い実といえばピンと来る方も多いかもしれませんね。
クコの実の歴史は古く、その起源はなんと紀元前のころ。原産地である中国北部付近では滋養強壮に効く生薬として知られ、世界三大美女のひとり、楊貴妃も愛用していたという逸話が残っているんですよ。
現在も、クコの実に含まれる栄養素への評価は高く「長寿の果実」や「不老不死の実」と呼ばれることも。チアシードやアサイーなどと同じスーパーフードのひとつとして、世界中で注目を集めています。
💡ワンポイント豆知識
ちなみに「クコ」という名前は、漢字で「枸杞」と書きます。これには諸説ありますが、クコの木に見た目がよく似ている「枸橘(からたち)」と「杞(やなぎ)」という植物の名前を組み合わせて、この名で呼ばれるようになったと言われているようです。
生のままでは食べない?クコの実とほかの実との違い
クコの実は9〜11月ごろに赤く熟した状態で収穫されます。しかし、生のままだと苦みや渋み、独特の青臭さがあるため、りんごやぶどうのようにそのまま食べることはあまりありません。
そこで昔から行われてきたのが「乾燥」です。水分を抜くことで甘みが凝縮し、ほのかに甘酸っぱい味わいに変わります。市場に流通しているクコの実は、ほとんどがこの乾燥タイプです。
乾燥させた実は、ドライフルーツのようにそのまま食べたり、料理やお茶に加えたりと扱いやすくなります。
このように「生ではほとんど食べられないが、乾燥させると魅力が引き出される」という点が、クコの実が他の果物と大きく違う特徴といえるでしょう。
💡ワンポイント豆知識
乾燥させたクコの実は、漢方の世界では「枸杞子(クコシ)」と呼ばれています。日本では「クコの実」という名前で親しまれていますが、正式名称は「クコシ」なんですよ。
杏仁豆腐だけじゃない!クコの実の食べ方
クコの実はクセの少ない味わいで、さまざまな料理やデザートに合わせやすいのが特徴です。
鮮やかな赤色は料理の彩りとしても重宝され、中国をはじめアジアの食文化の中で幅広く活用されてきました。
実際にどのような食べ方があるのか、以下でチェックしてみましょう。
薬膳料理に加える
鍋やスープ、お粥、あんかけなどにそのまま入れると、ほんのりとした甘みが加わり味わいに深みが出ます。
薬膳効果を高めるため、五香粉や山椒、八角といったスパイスや松の実、ナツメなどを一緒に入れることも多いです。
デザートやドリンクのトッピングに
クコの実は料理だけでなく、スイーツやドリンクにも活躍してくれる食材です。定番の杏仁豆腐やオーギョーチ、寒天やアイス、ヨーグルト、サラダなどにトッピングすれば、鮮やかな彩りとほんのりとした甘酸っぱさが楽しめます。
さらに、クセのない味わいをいかして、海外ではクッキーやケーキなどの焼き菓子、グラノーラやオートミールに加えることもあります。甘みと食感のアクセントとして、朝食やおやつに取り入れられているんですよ。
実だけじゃない!茎や葉の利用も
クコは実だけでなく、茎や葉、根の皮なども古くから食文化に取り入れられてきました。
クコ茶として楽しむ
茎や根の皮、葉を乾燥させてお茶に利用できます。やさしい風味で飲みやすく、日常の一杯としても親しまれてきました。
乾燥させた部分を煮出すだけで手軽に楽しめるのが特徴です。
若芽を料理に使う
春先に収穫される若芽は、葉野菜のように調理できます。
おひたしや天ぷらにすると、みずみずしい食感を味わうことができます。
味と彩りのアクセントに!クコの実を使ったスイーツレシピ
ここからは、クコの実を使ったおすすめレシピをご紹介します。杏仁豆腐はもちろん、抹茶あんみつやサムゲタン、中華粥などクコの実の新しいおいしさを発見できるレシピを幅広くピックアップしました。まずはスイーツのレシピからチェックしてみましょう!
定番 杏仁豆腐
暑い日や食後のデザートに、杏仁豆腐はいかがですか?一口食べれば牛乳のやさしい風味が口いっぱいに広がり、たまらないおいしさですよ!ぷるんとなめらかな口当たりもあわせて、ぜひご堪能くださいね。
杏仁豆腐のミニタルト
サクサクのタルト生地にぷるんとなめらかな杏仁豆腐が好相性!仕上げにクコの実をトッピングすれば、見た目も華やかに仕上がります。混ぜて冷やし固めるだけで簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。
濃厚ごまソースのバニラアイス
ひんやり冷たいバニラアイスにとろっと濃厚なごまソースをたっぷりかけて、味も見た目も大満足な一品に仕上げました。バニラアイスのやさしい甘みにごまの風味が絶妙にマッチして、想像以上のおいしさですよ!お好みのアイスクリームにかけたり、パンにぬるなど、アレンジもお楽しみくださいね。
濃厚 抹茶あんみつ
口どけなめらか!大人のおやつタイムにぴったりな、抹茶あんみつのご紹介です。寒天とシロップに抹茶パウダーをたっぷり加えて、抹茶の風味を堪能できる一品に仕上げました。甘さ控えめなので、シロップの量はお好みで調節してくださいね。
杏仁マンゴータルト
ティータイムやデザートに、ひんやりおいしい杏仁マンゴータルトはいかがですか?マンゴーのさっぱりとした甘みと杏仁ムースの濃厚な風味が相性抜群で、やみつきになること間違いなし!市販のタルト生地を使って手軽に作れるのもうれしいポイントです。
芳醇な濃さ 抹茶マーラーカオ
抹茶好きにはたまらない、抹茶マーラーカオのご紹介です。マーラーカオのふんわりやさしい味わいが抹茶のほろ苦さを引き立て、後引くおいしさですよ。お好みであんこや蒸し豆などを加えるとアレンジも広がります。ぜひお試しくださいね。
スパイスと合わせて!クコの実を取り入れたごはんレシピ
クコの実はスパイスと相性のよい食材です。韓国料理の定番であるサムゲタンのほか、火鍋や中華粥などによく使われます。クコの実を手に入れたら、世界各国の料理にチャレンジしてみるのもおすすめですよ!
手羽元でお手軽サムゲタン風スープ
韓国料理でおなじみの「サムゲタン」。本来、もち米を使いますが、このレシピではおうちで手軽に作れるよう、お米でアレンジしました。とろとろのスープに鶏手羽元の旨みがじんわり溶け込み、お鍋ひとつで作ったとは思えないほどコク深い味わいに仕上がります。できたてアツアツのうちにお召し上がりくださいね。
シンガポールの屋台料理バクテー
マレーシアやシンガポールの定番屋台料理「バクテー」をご紹介します。クコの実やスパイスをたっぷり加えたスープで骨つき豚肉をじっくり煮込み、ほろっとほどけるようなやわらかさに仕上げました。そのままいただくのはもちろん、ごはんに合わせても絶品ですよ!
火鍋でラムしゃぶ
いつもとひと味違うしゃぶしゃぶが食べたいときは、火鍋風に仕上げたこちらのレシピがおすすめ!野菜やきのこなどさまざまな食材の旨みが染み出たピリ辛スープがラム肉によく合い、食べはじめると止まらなくなりますよ。シメにごはんやうどんを加えれば、最後までおいしくいただけます。ぜひお試しくださいね。
干し貝柱入り薬膳風中華粥
ニンニクと生姜の風味が食欲そそる、薬膳風中華粥のご紹介です。じっくり煮込むことで鶏手羽先と干し貝柱の旨みが雑穀米によくなじみ、なんとも奥深い味わいに仕上がります。朝ごはんや夜食にもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
バリエーション豊か!クコの実で料理の幅を広げよう
海外ではスーパーフードとして親しまれている「クコの実」。定番の杏仁豆腐はもちろん、アイスやタルト、鍋、スープなど意外にもアレンジの幅が広いのも魅力的です。
見かけたらぜひ手に取っていただき、今回ご紹介したレシピを試してみてくださいね。
