カレーのスパイスとして知られる「ターメリック」と、栄養ドリンクに使用されることの多い「ウコン」にはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、ターメリックとは何か、また、ウコンの品種や特徴を解説します。料理の色づけに使われるサフランやターメリックを活用したレシピもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ターメリックとウコンは何が違う?スパイスの特徴や料理の活用方法をご紹介!

- 目次
- そもそもスパイスとは?
- ターメリックとウコンに違うはあるの?ウコンの種類と特徴も解説
- 春ウコン
- 秋ウコン
- ターメリックの黄色の正体は?
- サフランとは?
- サフランとターメリックの違いを比較してみよう!
- 生産量が違う
そもそもスパイスとは?
ターメリックとウコンの違いについて解説する前に、そもそもスパイスとはどういうものなのかをご説明します。
スパイスとは、辛味や香りの強い植物の果実や種子、根茎などを加工した食品のことです。主な用途としては、肉や魚の臭み消しや料理の色づけのほか、食べ物や飲み物に香りやアクセントを添える目的で使われます。スパイスと聞くと乾燥しているものを想像しますが、生姜や生胡椒など乾燥していないものもスパイスと呼びます。ちなみに日本では、スパイスとハーブとの境界線があいまいなところがありますが、ヨーロッパでは自家栽培しづらい胡椒やクローブ、シナモンなどをスパイス、自家栽培できるバジルやタイム、パセリやローズマリーなどをハーブと定義づけているところもあるそうです。
ターメリックとウコンに違うはあるの?ウコンの種類と特徴も解説
スパイスがどういうものなのかを確認したところで、ここから本題に入りましょう。まずは、ウコンについてご紹介します。
ウコンはインド原産と言われるショウガ科ウコン属の多年草で、日本では沖縄などの温暖な地域で栽培されています。世界で50種類以上の品種があり「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」や「黒ウコン」などが主な品種で、実はこのなかで「秋ウコン」と呼ばれるものが「ターメリック」に該当します。「ウコン=ターメリック」だと思っていた方も多いかもしれませんが、実はターメリックは「数あるウコンのなかの1種類」なのです。ちなみにウコンのなかでも主に食品として市場に出回っているのは「春ウコン」とターメリックである「秋ウコン」の2つ。以下でそれぞれについてもチェックしてみましょう。
春ウコン
春ウコンは、春に花を咲かせる品種で、ワイルドターメリックと呼ばれることもあります。苦みが強いため料理には不向きですが、健康食品として加工されることが多いようです。日本で生薬として使用する場合、また中国では「姜黄(キョウオウ)」と呼ばれていますが、秋ウコンと比較すると黄色味は薄く、生姜に近い色味をしているのも特徴です。
秋ウコン
秋ウコンは、先述の通りターメリックのことです。秋に白い花を咲かせることから、和名では「秋ウコン」と呼ばれています。春ウコンは生姜のような淡い黄色であるのに対して、秋ウコンは鮮やかな黄色をしています。地下茎(根茎のこと)と呼ばれる根の塊部分を乾燥させて粉末状にしたものが「ターメリック」であり、カレーなどには欠かせないスパイスとして活用されています。また、春ウコンと同様に生薬として用いられることもあり、その際は「鬱金(ウコン)」と書かれることが多いようです。
ターメリックの黄色の正体は?
ターメリックの特徴の一つに鮮やかな色味がありますが、これは秋ウコンに含まれるポリフェノールの一種「クルクミン」と呼ばれる色素成分によるものです。ウコンを使用した商品のパッケージなどで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。秋ウコンには、この「クルクミン」が春ウコンよりも多く含まれているため、果肉の色がオレンジに近い黄色になるのだそうです。ほかの食材と組み合わせても色が保たれるため、色づけとして料理に使用することができます。ターメリックを使用した食べ物と言えば、代表的なものにカレーが挙げられますが、あの黄色い色味はまさにターメリックあってこその色味なのです。
サフランとは?
ターメリックと同じように料理の色づけとして使用されるものに「サフラン」があります。サフランは、南ヨーロッパが原産のアヤメ科に属する球根から栽培される植物です。色づけに使用されるのはめしべの部分で、色は鮮やかな濃いオレンジ色をしています。水に浸すことで濃い黄色を抽出することができ、主にパエリアやブイヤベースといった料理に使用されます。
サフランとターメリックの違いを比較してみよう!
ショウガ科ウコン属に属するターメリックと、アヤメ科サフラン属に属するサフラン。料理に色づけするという点では同じ用途がありますが、生産される地域、また香りや使い方が異なります。以下で、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
生産量が違う
まず、サフランとターメリックは生産される地域が異なります。サフランはイランが生産量世界1位であるのに対して、ターメリックはインドが生産量世界1位となっています。さらに異なるのが生産量です。サフランは1つの花にたった3本のめしべを手作業で摘み取り、それを乾燥させて作られます。わずか10gのサフランを作るのに1500本以上の花が必要なため、世界一高級なスパイスと言われているんですよ。一方、ターメリックは地下茎から作られるので、サフランとは生産量に大きな差があります。そのため、サフランライスの代用としてしばしばターメリックライスが使われることもあります。
香りが違う
地下茎であるターメリックはやや土のような香りがします。一方、芳香成分であるサフラナールを含んだサフランは、甘い草のような上品な香りを持ち、しばしばアロマオイルに使用されたりもします。
使い方が違う
ターメリックとサフランは性質の違いにより、その使い方も異なります。ターメリックは油溶性のため、油と合わさることで食材に色を移すことができます。炒め物などで使う場合は、油と合わせて使うようにしましょう。カレーやターメリックライスにはもちろん、たくあんや栗きんとんの色づけにも使うことができますよ。一方、水溶性のサフランは水と合わせることで色をつけることができる食材です。水に20分以上浸けることで、サフランの鮮やかな黄色の色味をしっかりと出すことができますよ。パエリヤやブイヤベースなどを作るときに、サフランから抽出してできた黄色に染まった水を加えることで、パッと華やかな色味に仕上げることができます。
ターメリックを活用したターメリックライスのレシピをご紹介
ここからは、今回のメインスパイスであるターメリックを使用したターメリックライスとターメリックライスを活用したレシピをご紹介します。
ドリアやタコライスなどは、ターメリックライスを使用することでワンランク上の仕上がりになりますよ!
簡単 ターメリックライス
まずはシンプルなターメリックライスから作ってみましょう。こちらは、炊飯器で手軽に作れるターメリックライスのレシピです。きれいな黄色が食欲をそそりますね!いつものカレーも白ごはんをターメリックライスにするだけで印象の違う仕上がりになりますよ!
ターメリックライスでミートドリア
ターメリックライスを応用してミートドリアを作ります。白いごはんとは異なる、バターの風味をまとったターメリックライスがミートソースと相性抜群です。手軽に作れるのでランチにもぴったりですよ!
ターメリックライスで タコライス
ターメリックライスを使って沖縄の定番料理タコライスを作ってみませんか。チリパウダーの風味にもターメリックライスがよく合います。ターメリックライスの鮮やかな黄色とトマトの赤色のコントラストが食卓を華やかにしてくれること間違いなしです。
ターメリックライスコロッケ
炊いたごはんから作ったお手軽ターメリックライスを使った、ターメリックライスコロッケのレシピがこちら。ターメリックライスには、炒めた牛豚合びき肉とベビーチーズを加えて、おかず感のあるライスコロッケに仕上げます。
ターメリックライスでバターチキンカレー
カレーと相性抜群のターメリックライス。こちらのレシピでは、濃厚でマイルドな味わいが楽しめるバターチキンカレーを合わせてみました。ターメリックライスはもちろん、バターチキンカレーにもターメリックを加えた風味豊かな一品です。
ターメリックを使って風味豊かに仕上げる絶品レシピ
ここからはターメリックライス以外のターメリックを活用したレシピをご紹介します。ビリヤニやパエリアなど人気のレシピもターメリックを使用することで風味よく仕上がりますよ。
お家でお手軽に ビリヤニ
ターメリックのほかに、クローブやクミン、シナモンやカルダモンなどのスパイスと、香り米のバスマティライスを使って作る炊き込みごはん、ビリヤニ。一見難しそうな料理ですが、自宅で簡単に作ることができますよ!複数のスパイスを組み合わせた複雑な風味と味わいに異国気分を楽しめる一品です。
タンドリーチキンのワンパンパエリア
パエリアにタンドリーチキンをのせた、ボリューム満点の一品はいかがでしょうか。ターメリックを加えて炊きあげることで、お米がきれいな黄色に仕上がります。スパイシーな味わいのタンドリーチキンと野菜たっぷりのパエリアの組み合わせは、一度食べたらまた食べたくなるおいしさです。
とろとろ 長ねぎのターメリック煮
ちょっとした一品にも活用できるターメリック。こちらのレシピでは、ターメリックやはちみつ、塩で長ねぎをトロリとした食感になるまで煮てみました。簡単に作れるので、ターメリック活用レシピとしてぜひ押さえておきたいですね!
クミン香る ジャガイモのスパイス炒め
アクセントにクミンシードを加えて作るジャガイモのスパイス炒め。より彩りよく仕上げるために、ターメリックを加えて作ります。コリアンダーやチリパウダーも加えた、エキゾチックな味わいがクセになりますよ!
簡単おいしいアチャール
酸味のあるインドの漬物、アチャール。薄切りにした玉ねぎをレモン汁やターメリック、コリアンダー、クミンを合わせた調味液に漬け込んで作ります。口の中がさっぱりする味わいに、玉ねぎのシャキシャキ食感が心地よい一品です。
ターメリックをもっと活用してみよう!
ターメリックとウコンの違いをはじめ、ターメリックとサフランの違いやおすすめのレシピをご紹介しました。カレーに入っている印象の強いターメリックですが、さまざまな料理に活用できることがわかりました。カレーだけでなく、ぜひほかの料理にも使っていただき、ターメリック活用の幅を広げてみてくださいね。