野菜の甘味を活かしたやさしい味わいの「ポタージュ」。日本ではコンソメと並んで人気があり、お子様から大人の方まで幅広い世代に親しまれていますよね。これらふたつは違う種類のスープというイメージが強いですが、実は本場フランスでは「コンソメはポタージュの一種」と考えられていることをご存知ですか?
ポタージュってスープ?2つの違いや人気レシピをご紹介!

今回は、そんなポタージュの特徴をはじめ、コンソメとの違いやおすすめのポタージュレシピなどをご紹介します。作りたてのポタージュのおいしさは格別ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
- 目次
- ポタージュとは?
- 日本におけるポタージュとは?
- コンソメやブイヨンとの違いは?
- おいしく作るためのポイントは?
- 野菜をフル活用!ポタージュのレシピをご紹介
- 生クリームで濃厚コーンポタージュ
- オーツミルクで作るじゃがいものポタージュ
- ピーマンのポタージュ
ポタージュとは?
「ポタージュ(potage)」とは、フランス語で「スープ」のことを指します。「pot」とは「鍋」、「age」とは「中身」という意味で、元々は鍋で食材を煮込んでスープを作ったことが由来だと言われています。そのため、ヴィシソワーズやコンソメ、ブイヤベース、ポトフなどのスープ類は、全てポタージュに分類されるのです。
また、ポタージュは以下の2種類に大きく分けられるとされています。
◼︎ポタージュ・リエ(potage lié)
野菜のポタージュ、ヴィシソワーズ、ビスクなど、濃厚でとろみの付いたスープのこと。
◼︎ポタージュ・クレール(potage clair)
コンソメやブイヨンなど、澄んだスープのこと。
日本におけるポタージュとは?
日本では「ポタージュはスープの一種」と考えられており、主に野菜をミキサーなどで攪拌して作るクリームスープのことを指します。「ポタージュスープ」と呼ばれることもありますが、これをフランス語に訳すと「スープスープ」という意味になってしまうので、間違った使い方といえるでしょう。
ポタージュの一般的な作り方は、まずは野菜をバターで炒め、水を加えて煮込んだものをミキサーで攪拌してなめらかにします。次に、ブイヨンや牛乳、生クリームを加え、塩こしょうで味を調えたら完成です。使われる野菜はたまねぎ、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、にんじん、パプリカ、ほうれん草など幅広く、複数の野菜を組み合わせて作ることもあります。
コンソメやブイヨンとの違いは?
日本では、ポタージュと並んで「コンソメ」や「ブイヨン」も広く親しまれています。これらふたつは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?以下で詳しく見てみましょう!
◼︎ブイヨン
「ブイヨン」とは、フランス料理のベースとなる「だし」のことです。牛骨や鶏ガラ、香味野菜などをじっくりと煮出して作る、旨味たっぷりでクセの少ない味わいが特徴です。他の料理の味をじゃましないので、コンソメやポトフのベースにしたり、ポタージュの濃度を調整するときに加えたりと、さまざまな料理に使われます。
◼︎コンソメ
「コンソメ」とは「完成された」という意味で、フランスではそのまま飲んでもおいしいスープとして親しまれています。ブイヨンに大量のひき肉や香味野菜、卵白などを加えてじっくりと煮込んで作られるので、素材の旨味がギュッと凝縮された濃厚な味わいを楽しむことができます。塩で味を調えていただくほか、冷やし固めたものをヴィシソワーズにのせるなど、他の料理と組み合わせて使うこともあります。
本格的なブイヨンやコンソメを作るには、とても手間と時間がかかるので、日本の各家庭では固形や顆粒の調味料で代用することが多いです。
おいしく作るためのポイントは?
ポタージュの醍醐味といえば、やはり野菜の甘味を活かしたやさい味わいと、クリーミーでなめらかな舌触りですよね。こちらでは、よりおいしく仕上げるためのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
◼︎野菜はしっかりと炒めて旨味を引き出す
おいしいポタージュを作るためには、まずは野菜をしっかりと炒めて甘味と旨味と引き出しましょう。野菜を炒めずに作るレシピもありますが、その場合はよりあっさりとした味わいに仕上がります。
◼︎アクはていねいに取り除く
水を加えて煮込むときは、浮いてきたアクを丁寧に取り除くことが大切です。アクを加熱し続けると、酸化してスープの味や色を濁らせてしまうので注意しましょう。
◼︎温かいうちにミキサーで攪拌する
野菜がやわらかくなったら、温かいうちにミキサーで攪拌してなめらかにしましょう。冷ましてから攪拌すると、野菜に含まれるでんぷん質が固まって粘りが出てしまい、なめらかな食感に仕上がりません。ただし、くれぐれも火傷には注意してくださいね。
野菜をフル活用!ポタージュのレシピをご紹介
さてここからは、さまざまな野菜で作るポタージュのレシピをご紹介します。作りたてのポタージュのおいしさは格別ですので、ぜひお試しくださいね。
生クリームで濃厚コーンポタージュ
幅広い世代に人気のポタージュといえば、やはりコーンポタージュ!コーンクリーム缶を使えば、ミキサーで攪拌する手間がなく手軽にお作りいただけますよ!ほんのりと甘くなめらかな味わいは、1日を元気にスタートしたい日の朝食にぴったりです。
オーツミルクで作るじゃがいものポタージュ
オーツミルクで作る、じゃがいものポタージュです。こちらのレシピでは、野菜を炒める手間を省くことであっさりとした味わいに仕上げました。つめたく冷やしてもおいしいので、暑い季節にもおすすめですよ。
ピーマンのポタージュ
普段とはひと味違うポタージュを楽しみたいときは、ピーマンがおすすめです!たまねぎやベーコンを加えることで苦味が和らぎ、クセが少なくやさしい味わいお楽しみいただけますよ。
濃厚!ほうれん草のポタージュ
鮮やかな緑色が目を引く、ほうれん草のポタージュです。ほうれん草の甘味を活かした濃厚な味わいは、寒い季節にぴったり!おもてなしの一品としても喜ばれますので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
アーモンドミルクで濃厚かぼちゃのポタージュ
かぼちゃとアーモンドミルクを使った、やさしい味わいのポタージュです。体も心も癒されるような、ほっこりとした甘味を楽しめる一品です。お子様にも喜ばれるおいしさですので、ぜひ作ってみてくださいね。
カブの葉大量消費 グリーンポタージュ
余ってしまいがちなカブの葉も、ポタージュにすれば立派な一品に早変わりします!バターやベーコン、ブイヨンを加えることで、特有の青臭さが和らぎ奥深い味わいに仕上げることができますよ。
鮮やかピンク色 ビーツのポタージュスープ
鮮やかなピンク色がインパクト抜群の、ビーツとじゃがいものポタージュです。ビーツをポタージュにするとは驚きですが、ほんのり甘くマイルドな味わいをお楽しみいただけますよ!ビーツは缶詰を使えば、電子レンジで手軽に作ることができます。ぜひお試しくださいね。
【番外編】おすすめのコンソメスープレシピをご紹介!
最後に、おすすめのコンソメスープレシピを3つご紹介します。どちらもあっさりとした味わいなので、さらっとおいしくお召し上がりいただけますよ。
とろーりチーズの丸ごとトマトでコンソメスープ
とろとろなチーズがたまらない、丸ごとトマトのコンソメスープです。一見手が込んでいそうに見えますが、コンソメスープに湯むきしたトマトを加え、ピザ用チーズをのせるだけで完成するお手軽レシピ!あつあつのトマトを崩していただけば、フレッシュなおいしさがじゅわーっと口いっぱいに広がりますよ!
そら豆とベーコンのコンソメスープ
野菜がゴロゴロと入った、具沢山のコンソメスープです。たまねぎやにんじん、セロリなどの香味野菜を加えることで、風味豊かで奥深い味わいに仕上げました。そら豆のほくほくとした食感もよく、食べ進める手が止まらなくなるおいしさですよ。
さっぱりズッキーニのコンソメスープ
ズッキーニを使った、やさしい味わいのコンソメスープです。とろりとやわらかいズッキーニはもちろん、素材の旨味が染み出たスープがとてもおいしいですよ!さっぱりとお召し上がりいただけますので、ぜひ作ってみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
手軽にポタージュを楽しんでみよう!
いかがでしたか?ポタージュの特徴をはじめ、コンソメとの違いや人気のポタージュレシピなどをご紹介しました。ポタージュにはさまざまな種類があり、本場フランスではコンソメやブイヨンなどもそれに含まれます。日本ではコーンポタージュが人気ですが、かぼちゃやピーマンなどほかの野菜でも作ることもできますので、ぜひ一度そのおいしさを味わってみてください。
クラシルでは、ほかにもたくさんのポタージュレシピをご紹介しています。そちらも合わせて参考にして、日々の料理に取り入れてみてくださいね。