最終更新日 2023.9.11

「カルダモン」とは?特徴や使い方を解説!

「カルダモン」とは?特徴や使い方を解説!

甘くエキゾチックなのに清涼感のある、複雑な香りが魅力の「カルダモン」。スパイスの女王とも呼ばれる、カルダモンの種子から作られるスパイスです。カレーやスイーツなどに使われますが、どのような特徴があるのでしょうか。今回は、そんなカルダモンについて詳しく解説。記事後半ではおすすめレシピもご紹介していますよ!

  • 目次
  • カルダモンとは
  • カルダモンの種類
  • カレーだけじゃない?カルダモンの使い方
  • ホールとパウダーの違い
  • アレンジ力抜群!カルダモンのおすすめレシピ
  • カルダモン香る バナナマフィン
  • カルダモン香る 紅茶パンナコッタ
  • 文旦ピールとカルダモンのマンディアンチョコ

カルダモンとは

「カルダモン」とは、インドやインドネシア、スリランカが原産のショウガ科に属する多年草のことで、日本では「ショウズク」とも呼ばれています。

スパイスとして使われるのはカルダモンの種子で、甘くエキゾチックでありながらも清涼感のある香りと、ピリッと刺激的な辛みが特徴です。カルダモン特有のさわやかで上品な風味への評価は高く「香りの王様」、また「スパイスの女王」とも呼ばれているんですよ。

そんなカルダモンの歴史は古く、原産地であるインド付近では紀元前から香辛料や医薬品として、また、古代エジプトでは儀式用のお香として使われていたのだそうです。

現在はインドやマレーシア、スリランカ、南米グァテマラなど温暖な地域で栽培されており、日本を含め世界中で親しまれています。しかし、栽培が難しいことから、近年は価格が高騰しているようです。

カルダモンの種類

カルダモンには、いくつかの種類が存在しますが、大きく分けると二種類に分類されるようです。以下でそれぞれの特徴を確認してみましょう。

■グリーンカルダモン

日本のスーパーなどでよく見かける品種です。個体差はありますが、薄緑色をした1cmほどのさやの中に小さく黒い種子が10〜20粒ほど入っています。この種子が清涼感のある強い香りを放つため、香りを活かしたい場合はホールを使うのがおすすめです。ちなみに、このグリーンカルダモンを二酸化硫黄で漂白した「ホワイトカルダモン」と呼ばれるものもあり、見た目がよいとされていますが日本ではほとんど流通していません。

■ブラックカルダモン(ブラウンカルダモン)

ネパールやインドなど一部の地域で栽培されている品種で、2cm以上あるさやの中に種子が約40~50粒も入っていることから「ビッグカルダモン」、グリーンカルダモンよりもスモーキーな風味を有するため「ワイルドカルダモン」と呼ばれることもあります。ホワイトカルダモンと同じく日本では希少なため、見かけることは少ないですが、インド周辺ではカレーやビリヤニなどに使われています。

カレーだけじゃない?カルダモンの使い方

カルダモンは、辛いものから甘いものまで幅広いお料理に使える、とても扱いやすいスパイスです。

特にインドや北欧では普段の料理に欠かせないスパイスとして重宝されており、食後や飲酒後のお口直しに、カルダモンを噛む習慣もあるんですよ。

以下、カルダモンの使い方や地域ごとに違う楽しみ方などをまとめましたので、参考にしてみてくださいね。

■カレー

カルダモンは、カレーには欠かせないスパイスのひとつです。カレーに加えることで一気に香りが華やかになりますよ。さまざまな種類のスパイスをミックスしたカレー作りの定番スパイス「ガラムマサラ」にもメインスパイスとして含まれていて、最近日本でも人気のあるビリヤニなど、さまざまなインド料理で使われています。

■チャイ、コーヒー

スパイスを茶葉と一緒に煮出して作るチャイにももちろん、カルダモンが使われます。一般的には砂糖を入れて甘めに仕上げますが、カルダモンの爽やかで上品な香りやほかのスパイスの香りが鼻に抜け、飽きることなく楽しめますよ。また、サウジアラビアなどのアラブ諸国ではおもてなし用のドリンクとして、カルダモンで香りづけをしたコーヒーもよく飲まれているそうです。

■カルダモンロール、セムラ

カルダモンは、スウェーデンやフィンランド、ノルウェーといった北欧でも愛されているスパイスです。さまざまなパンやスイーツで使われていますが、なかでもスウェーデンで一番ポピュラーなのが「カルダモンロール」といわれる菓子パン。カルダモンをたっぷりと練り込んだ生地は焼いているうちから爽やかな香りが漂い、一口食べれば一気にカルダモンの風味と香りが広がります。また、スウェーデンの伝統菓子である「セムラ」にもカルダモンが欠かせません。

このように、カレーなどの煮込み料理はもちろん、肉や魚料理の臭み消し、パン、スイーツ、チャイやコーヒーの風味づけなど、カルダモンの使い方はさまざま。最近では、カルダモンをお酒に漬けたリキュールなども誕生するなど、新しい楽しみ方も増えてきています。

肉や魚に漬け込んで焼いたり、ピクルスを漬けるときに加えるなど、さまざまな使い方ができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ホールとパウダーの違い

カルダモン含め植物の種子から作られるスパイスは、種子をそのまま乾燥させた「ホールスパイス」と、ホールスパイスを粉状になるまで粉砕した「パウダースパイス」、大きくこの二種類に分けられます。

香りが強いホールスパイスは、風味が飛びやすい煮込み料理に、料理の下ごしらえや仕上げ、飲み物の風味づけなどにパパッと振りかけて使いたいときは、パウダースパイスを使うのがおすすめです。

レシピに指定がなければどちらを使用しても問題ありませんが、それぞれの特徴を正しく理解すれば、カルダモンの魅力を最大限に引き出すことができます。用途に合わせてきちんと使い分けてみてくださいね。

アレンジ力抜群!カルダモンのおすすめレシピ

カルダモンの特徴などを確認したところで、ここからはおすすめレシピをご紹介します。バナナマフィンやパンナコッタ、ワイン煮など幅広いレシピをピックアップしたので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

カルダモン香る バナナマフィン

カルダモンの風味がふんわり香る、ちょっぴり大人向けの一品です。マフィン生地にはペースト状になるまでつぶしたバナナをたっぷり加えて、しっとりソフトな口当たりに仕上げました。紅茶やコーヒーと一緒に、癒しのひとときをお過ごしくださいね。

カルダモン香る 紅茶パンナコッタ

材料を火にかけて、混ぜて固めるだけの簡単レシピですが、味は絶品!口どけなめらかな紅茶パンナコッタにカルダモンの風味が絶妙にマッチして、やみつきになるおいしさですよ。普段のおやつや食後のデザートに、ぜひ作ってみてくださいね。

文旦ピールとカルダモンのマンディアンチョコ

華やかな見た目に思わず目を奪われる、フランス生まれのチョコレート菓子マンディアンのご紹介です。湯せんで溶かしたミルクチョコレートに文旦ピールとアーモンドをトッピングして、味も見た目も大満足な一品に仕上げました。カルダモンの上品な風味もあわせて、ぜひお楽しみ下さいね。

カルダモン香るアプリコットソースでヨーグルトムース

生クリームを加えて濃厚な味わいに仕上げたヨーグルトムースに、甘酸っぱいアプリコットジャムが好相性!一口食べればカルダモンのさわやかな香りがいっぱいに広がり、後引くおいしさですよ。パパッと簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。

カルダモン香る根菜と鶏肉のワイン煮

ふんわり広がるカルダモンの風味が食欲をそそる、根菜と鶏肉のワイン煮のご紹介です。お鍋ひとつで作れる簡単レシピですが、鶏もも肉の旨みと赤ワインの風味が里いもとごぼうに染みこみ、なんとも奥深い味わいに仕上がります。ワインによく合うので、おもてなしにもおすすめです。

カルダモン風味のエビとホタテのボイル

おしゃれな見た目で食卓がパッと華やぐ、さっぱりおいしい一品です。白ワインとレモン、カルダモンの爽やかな風味がエビとホタテの旨みを引き立て、たまらないおいしさですよ。ワインのお供やおもてなしに、ぜひお試しくださいね。

使い勝手抜群!カルダモンで料理の幅を広げよう

今回は、カルダモンの特徴や使い方、おすすめレシピなどをご紹介しました。カルダモンは、定番のカレーだけでなく、煮込み料理やパン、デザートなど幅広い料理で活躍する、使い勝手抜群のスパイスです。この機会にレパートリーに取り入れて、カルダモンならではの上品な香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、クラシルでは今回ご紹介した以外にもカルダモンを使ったレシピを掲載していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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