最終更新日 2023.3.30

よく聞く「もろみ」って何のこと?おいしいレシピもご紹介!

よく聞く「もろみ」って何のこと?おいしいレシピもご紹介!

「もろみ」とは、どのようなものかご存知ですか?もろみは日本酒やしょうゆなど、日本の伝統食を作るうえで欠かせない存在であり、発酵による豊かな香りと旨味があります。今回はそんなもろみの特徴をはじめ、その作り方や種類、おすすめの活用方法などを解説します。記事後半でご紹介する、もろみの活用レシピは必見です!

  • 目次
  • 「もろみ」とは?
  • 漢字は二種類ある
  • どのように作られるの?
  • 精米・浸漬(しんせき)
  • 蒸米(むしまい)
  • 麹作り
  • 酒母作り
  • 仕込み(もろみ作り)

「もろみ」とは?

「もろみ」とは、日本酒やしょうゆ、みそなどの製造工程で、原料が発酵してやわらかい固形物になった状態のこと。

例えば、日本酒の場合は原料である米、米麹、酒母、仕込み水を混ぜ合わせたものが、発酵してどろどろになったものを「もろみ」といいます。これを濾して透明の液体にしたものが日本酒、残った固形物は酒粕になります。

製造工程でもろみが作られるものは日本酒、焼酎、しょうゆ、みそ、みりん、酢などがあり、日本の伝統食を作るうえで欠かせない存在です。

漢字は二種類ある

もろみを漢字で表すと「醪」と「諸味」の二種類があります。

「醪」は日本酒や焼酎、泡盛など、酒を醸造する工程で作られるものを指します。一方で「諸味」はしょうゆやみそなど調味料のもろみのことを指し、中にはそのまま調味料として使うことができるものもあります。

同じもろみでも、原料によって漢字が異なるとはおもしろいですよね。

どのように作られるの?

もろみはどのように作られるのでしょうか?今回は日本酒を例にして、以下で詳しく見てみましょう。

精米・浸漬(しんせき)

まず最初に、日本酒の原料である米の表面を削り、きれいに水洗いしたあと水に浸けて水分を含ませます。

蒸米(むしまい)

浸漬した米を、甑(こしき)という大きな釜で蒸す伝統的な方法と、連続蒸米機という機械を使って蒸す方法があります。

麹作り

蒸米を麹室(こうじむろ)に移し、麹菌をふりかけて繁殖させます。30〜40℃に保ちながら熟成させることで、米に含まれるデンプンがブドウ糖に変化します。

酒母作り

麹と水を混ぜ合わせ、そこに酵母と蒸米を加えて発酵させます。発酵がすすんで酵母が増殖したものを「酒母」と呼び、これにはブドウ糖をアルコールに変える効果があります。

仕込み(もろみ作り)

いよいよ、もろみ作りに入ります。酒母を大きなタンクに移して蒸米、麹、仕込み水を3回に分けて加えて発酵させます。3週間〜1ヶ月かけてじっくりと発酵させたものを「もろみ」と呼び、この段階で日本酒の味わいや香りが決まります。これをを搾って濾過したものが日本酒、残った固形物が酒粕になります。

もろみを使った調味料

もろみのなかには、もろみ自体を調味料として使うことができるものもあります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

しょうゆもろみ

小麦と大豆で作ったしょうゆ麹に、塩水を加えて発酵・熟成させたものです。いわゆる「しょうゆの素」と呼ばれるもので、これを搾った液体がしょうゆになります。大豆や小麦が残っているのでとろりと濃度があり、しょうゆより濃厚な風味とまろやかな旨味があります。

もろみみそ

大麦や大豆、米などで作った麹に、塩水を加えて発酵・熟成させたものです。一般的なみそとは作り方が異なり、しょうゆと同じような製造方法で作られます。大麦の粒が残っているのでつぶつぶとした食感があり、少し甘めなのでそのまま食べることができます。きゅうりにみそをつけていただく「もろきゅう」は、こちらのもろみみそが使われます。

もろみ酢

泡盛のもろみを蒸留したあとに、残った酒粕を圧搾・濾過して作られる清涼飲料水です。一般的な酢のようにツンとした香りはなく、マイルドな旨味を感じる爽やかな味わいなので、ストレートでそのまま飲むことができます。

もろみの活用方法

もろみを使った調味料を料理にプラスすると、普段とはひと味違う奥深い味わいに仕上げることができます。活用方法をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

しょうゆもろみ

しょうゆもろみは、しょうゆと同じように使うことができます。冷奴や卵かけごはんにかけたり、焼いたお肉に絡めたり、マヨネーズと合わせてディップにするなど、使い方はとても簡単です。しょうゆより香りや旨味が濃厚なので、普段の料理をワンランクアップさせたいときにおすすめですよ。

もろみみそ

もろみみそは、そのままごはんのお供としていただくほか、和え物や炒め物の味つけに使うことができます。少し甘めの味わいなので、ふろふき大根や田楽にのせたり、おにぎりの具材にしたり、ナスみその味つけに使ったりと、幅広い料理に活用することができますよ。チーズなど乳製品と相性がよいので、クリームチーズにのせるだけで立派なおつまみになります。

もろみみそを使ったレシピはこちらをチェック!

もろみ酢

​もろみ酢はそのまま飲むことができますが、炭酸やりんごジュースなどで割ると爽やかな味わいを楽しむことができます。酸味がマイルドなので、もずく酢やドレッシング、ピクルスなどの料理に使うと、酸っぱいものが苦手な方でも食べやすい味わいに仕上げることができますよ。

もろみみその活用レシピ

ここからは、もろみみその活用レシピをご紹介します。どれももろみみそのマイルドな旨味を活かしたものばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

もろみ味噌の焼きおにぎり

初めてもろみみそを食べる方は、まずはシンプルにごはんと合わせてみましょう。おにぎりの具材はもちろん、トースターで焼きおにぎりにすると香ばしい風味がグンと引き立ちますよ。

※​​お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。

※アルミホイルが熱源に直接触れると溶けてしまう恐れがあります。熱源に触れないようご注意ください。

もろみみそで 鶏そぼろおにぎり

もろみみその鶏そぼろを使った、ボリューム満点なおにぎりです。生姜がふわっと香る甘じょっぱい鶏そぼろが、ふんわりとにぎったごはんにぴったり!鶏そぼろは冷奴などにのせてもおいしいので、ぜひ作ってみてくださいね。

もろみみそがけふろふき大根

少し甘めのもろみみそは、ふろふき大根のタレにすることもできます。少ない調味料で簡単に味が調うので、手軽にふろふき大根を楽しみたいときにおすすめですよ。

※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら、完全に火が通るまで必要に応じて加熱時間を調整し加熱してください。

きゅうりとちくわのもろみみそマヨ和え

材料4つで作れる、きゅうりとちくわのもろみみそマヨ和えはいかがでしょうか。きゅうりとちくわをザクザクと切り、もろみみそとマヨネーズで和えるだけととっても簡単!まろやかでコクのある味わいは、一度食べたらクセになるおいしさですよ。

鶏肉ときゅうりのもろみみそ梅和え

もろみみそに梅肉を加えると、さっぱりとした味わいに仕上げることができます。こちらのレシピでは、鶏むね肉やきゅうり、ミョウガをサッと和えて、シャキシャキと歯ごたえがよく爽やかな風味に仕上げました。暑い季節にぴったりですので、ぜひお試しください。

※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら、完全に火が通るまで必要に応じて加熱時間を調整し加熱してください。

豚バラ肉とシャキシャキ豆苗のもろみみそ炒め

豚バラ肉と豆苗をニンニクで炒め、もろみみそで甘じょっぱい味わいに仕上げました。ジューシーな豚バラ肉とシャキシャキの豆苗を一緒に頬張れば、ごはんがどんどん進むこと間違いありませんよ!

ナスと鶏もも肉のもろみみそ炒め

ごはんのおかずにぴったりな、ナスと鶏もも肉のもろみみそ炒めです。ジューシーな鶏もも肉はもちろん、旨味が染み込んだとろとろのナスが主役級のおいしさ!長ねぎやピーマンを加えたりと、ぜひお好みの野菜で作ってみてくださいね。

タラのもろみみそホイル焼き

もろみみそは、ホイル焼きのソースに使うこともできます。こちらのレシピでは、タラにマヨネーズ入りのもろみみそをかけてふっくらと焼きあげました。風味豊かでコクのある味わいに、豆苗のシャキシャキとした食感がアクセントになってお箸がすすみますよ。

※​​お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。

※アルミホイルが熱源に直接触れると溶けてしまう恐れがあります。熱源に触れないようご注意ください。

もろみを料理に取り入れてみよう!

今回は、もろみの特徴をはじめ、その作り方や種類、おすすめの活用方法やレシピなどをご紹介しました。もろみとは日本酒やしょうゆを作る工程で、原料が発酵してやわらかい固形物になった状態のこと。発酵由来の豊かな香りと旨味があり、調味料として活用すると普段の料理をワンランク上の味わいに仕上げることができます。

しょうゆもろみやもろみみそは、スーパーで手軽に購入することができますので、ぜひこの機会に料理に取り入れてみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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