真っ白でみずみずしい「大根」。さまざまな料理に合う使い勝手のよい野菜ですが、買ってきた大根を切ったとき、中身が青く変色していて驚いた経験はありませんか?これは大根に現れることがある「青変症」という生理現象なんです。この記事では、大根が青くなる原因や食べられるかどうかを解説します。大根を使ったレシピも必見ですよ!
大根は青くなっても食べられる?変色の原因やおいしい食べ方について解説!
- 目次
- 大根が青くなるのはなぜ?
- 青変症になった大根は食べられる?
- 大根のおいしい食べ方
- 大根を使ったおいしいレシピ
- ごま油香る さつま揚げと大根の煮物
- 簡単副菜 大根とちくわの煮物
- 優しい味わい 大根と豚バラの煮物
- ほっこり大根のそぼろあんかけ
大根が青くなるのはなぜ?
大根はアブラナ科の野菜で、春の七草のひとつである「すずしろ」として古くから日本人に親しまれています。大根には多くの種類がありますが、もっとも流通量が多いのは青首大根です。品種改良によって年中収穫されますが、秋から冬にかけて迎える旬の時期の大根はみずみずしく甘みがあり、春から夏は辛味が強くなります。
さて、そんな通年手に入り頻繁に食卓に上る大根ですが、大根を切ったときに切断面の中心部が青く変色していた、という経験はありませんか?これは「ダイコン青変症」とよばれる生理現象で、大根を収穫したときには発生しておらず、数日後に青色色素が生成されるものなのです。
青いとカビが生えているように見えて驚くかもしれませんが、カビや毒素によるものではないので食べることは可能です。ただ、少々苦味があると言われています。ダイコン青変症の色素については、昔はアントシアニン色素と考えられていましたが、最近の研究ではアブラナ科の野菜に微量に含まれる物質が酸化し、青色になることがわかりました。
大根は冬が旬の野菜なので暑さに弱く、20℃以上の環境に置くとダイコン青変症が発生しやすいことも分かっています。大根の品種によって出現しやすさには差があり、現在はダイコン青変症を起こしにくい品種の研究も進められているのだそうです。
青変症になった大根は食べられる?
ダイコン青変症はカビや毒素が原因ではないので食べても害はありませんが、見た目の印象が悪く苦みも出るのでなるべく避けたいですよね。
青変症は20℃以上の高温の環境に置くと起こりやすく、購入時には発生していなくても家庭での保存状態によっては青く変色してしまうことがあります。大根を買ってきたらまず高温を避けるために、冷蔵庫の野菜室で保管するようにしましょう。水分の多い野菜なので、新聞紙やキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れて保存するとみずみずしさを保てます。葉がついたままだと葉の部分から水分が出て行ってしまうので、葉を切り落として根の部分と分けて保存するのがおすすめです。
また、収穫されてから流通までの期間が短いほどダイコン青変症が発生する可能性は低くなるので、なるべく新鮮なものを選ぶのも大切なポイントですよ。色が白く表面に張りがあってみずみずしいもの、葉がついている場合はシャキッとしているものを選びましょう。とくに高温の夏場は青変症が発生する可能性も高くなるので、夏の間はカットされているものを選び、中心の色を確認してから購入するのもひとつの方法です。
大根のおいしい食べ方
青変症になった大根は固さや苦みが出てきますので、食べ方に工夫が必要です。
青くなってしまった部分は生の状態だと色や固さが気になるので、加熱調理をするのがおすすめ。醤油やみそなどの色の濃い調味料で味つけした煮物にすれば青い色もカバーでき、じっくりと煮込むことで固さも気にならなくなります。
また、すりおろしてみぞれ煮にするのも食べやすくなるのでおすすめです。ほかにも甘辛いきんぴらやキムチ味の炒め物など、味の濃い料理に使えば苦みを感じにくくなりますよ。青変症になった大根も工夫次第でおいしく食べられるので、捨てずに活用してみてくださいね。
大根を使ったおいしいレシピ
ここからは大根を使ったおいしいレシピをご紹介します。やさしい味わいの煮物やごはんがすすむしっかりとした味つけの炒め物など、青変症になった大根も活用できるレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
ごま油香る さつま揚げと大根の煮物
旨味たっぷり!さつま揚げと大根の煮物をご紹介します。醤油をベースにした煮汁でコトコト煮込むことで、青変症を起こした大根でも色が気になりにくくなりますよ。さつま揚げのだしを吸った大根が絶品なので、ぜひ作ってみてくださいね。
簡単副菜 大根とちくわの煮物
大根とちくわを使ったやさしい味わいの煮物です。大根にちくわの旨味が染み込み、とてもおいしいですよ。調味料はめんつゆを使っているので簡単に味が決まります。大根は電子レンジで加熱してから煮込むので時短になり、忙しい日の副菜にもおすすめです。
優しい味わい 大根と豚バラの煮物
ほっこりおいしい、大根と豚バラの煮物はいかがでしょうか。白だしやみりんを使った甘めの味つけと旨味のある豚バラ肉が大根とよく合います。ごま油の香ばしい風味もアクセントになって、ごはんもお酒もすすみますよ!ぜひお試しくださいね。
ほっこり大根のそぼろあんかけ
コトコトやわらかく煮込んだ大根に、豚ひき肉のそぼろあんをかけたシンプルな一品です。煮込み時間を長く取ることで、青変症になって固くなった大根もおいしく食べられますよ。あんは大根を煮た煮汁で作る簡単なレシピなので、ぜひ作ってみてくださいね。
お酢でやわらか 鶏もも肉と大根のうま煮
やわらかい食感で旨みたっぷり!鶏もも肉と大根のうま煮のレシピです。醤油を使った甘辛い味つけにお酢を加えてじっくり煮込み、ごはんがすすむこってりとした味わいに仕上げました。鶏肉を焼いてから煮込むことで、香ばしさが出てよりおいしく仕上がりますよ。
大根の豚キム炒め
旨辛でお箸がすすむ、大根の豚キム炒めを作ってみませんか?キムチを使ったしっかりとした味つけなので、青変症を起こして苦みが出た大根でもおいしく食べられますよ。ボリューム満点なので、メインおかずとしてぜひ作ってみてくださいね。
牛肉と大根の甘辛炒め
ごま油が香る、牛肉と大根の甘辛炒めをご紹介します。味つけには辛味と甘みが絶妙なコチュジャンを使い、ごはんにもお酒にも合う味わいに仕上げました。材料を切って炒めるだけと簡単なので、時間がない時に重宝するレシピです。
ぽりぽり食感 大根のきんぴら
常備菜におすすめ!大根のきんぴらはいかがでしょうか。大根は少し厚めの細切りにすることで、ぽりぽりとした食感が楽しめますよ。ごま油の香ばしい香りとピリッと辛い鷹の爪がアクセントになり、お箸が止まらないおいしさです。
豚肉と大根のピリッと辛いスタミナ炒め
豚肉と大根で作るスタミナ炒めのご紹介です。豚バラ肉の旨味が大根に染みてとてもおいしいですよ。醤油をベースにコチュジャンとオイスターソースを加え、ピリ辛で旨味のあるあと引くおいしさの一品に仕上げています。
大根の甘辛みそ焼き
おつまみにぴったり!大根の甘辛みそ焼きのレシピです。香ばしく炒めた大根に甘めの味つけのみそを絡めたシンプルな一品ですが、ピリッと辛い一味唐辛子がアクセントになりお箸がすすみますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
青くなった大根も、ひと工夫しておいしく食べよう
大根の中身が青く変色するのは青変症という生理現象です。食べても悪い影響はないということがわかり、安心した方も多いのではないでしょうか。色が気になりにくい煮物にしたり、苦みが和らぐ濃いめの味つけにしたりすることでおいしく食べられるので、ぜひご紹介したレシピも参考にしてみてくださいね。