ティミラスの材料として知られるイタリアのチーズ「マスカルポーネ」。同じフレッシュチーズのクリームチーズとよく似ていますが、一体どのような違いがあるのでしょうか。この記事ではこの2つのチーズの特徴と違いについて解説します。ぜひチェックしてみてくださいね!
マスカルポーネとクリームチーズの違いについて詳しく解説!おすすめレシピも
- 目次
- マスカルポーネとクリームチーズの違い
- 「マスカルポーネ」「クリームチーズ」とは
- 味わいの違い
- 歴史の違い
- フレッシュチーズとは?
- マスカルポーネとクリームチーズの使い方
- マスカルポーネチーズを使ったおすすめレシピ
- クリームチーズを使ったおすすめレシピ
- それぞれの個性を活かしたデザートや料理に
マスカルポーネとクリームチーズの違い
ティラミスなどのスイーツに欠かせない「マスカルポーネ」と、ベーグルやチーズケーキでおなじみの「クリームチーズ」。どちらもやわらかくクリーミーなフレッシュチーズですが、原料や味わいには違いがあります。ここでは、マスカルポーネとクリームチーズの違いをわかりやすく表で比較し、それぞれの特徴や歴史を紹介します。
| 項目 | マスカルポーネ | クリームチーズ |
|---|---|---|
| 原料 | 生クリーム | 牛乳+クリーム |
| 熟成 | なし(フレッシュチーズ) | なし(フレッシュチーズ) |
| 水分 | 少なめ | 高め |
| 脂肪分 | 固形分中約80%(高め) | 高め |
「マスカルポーネ」「クリームチーズ」とは
マスカルポーネはイタリア生まれのフレッシュチーズです。生クリームに熱を加えてクエン酸、もしくは酢酸を加えて固め、濾過して水分を除いた後、型に詰めて作られます。原料の生乳を固めて水分を除くだけのシンプルな製法で、水分は少なめ。固形分中の乳脂肪は80%程度で、チーズの中では高めなのが特徴です。
クリームチーズもマスカルポーネと同様、生乳を原料とするフレッシュチーズです。加熱殺菌した牛乳にクリームを加えて乳酸発酵させて固め、熟成させずにホエイ(乳清)を除いて作られます。なめらかにするために圧力を加えて、均質化を図る場合もあるようです。マスカルポーネと同じく、水分や脂肪分が高いチーズです。
味わいの違い
| 項目 | マスカルポーネ | クリームチーズ |
|---|---|---|
|
味わい |
上品な甘みとコク 酸味・塩味控えめ 口どけなめらかで軽い |
コクと塩味があり 酸味がやや強め 重めでしっとりした食感 |
| 酸味 | ほとんどなし | 乳酸菌由来の酸味あり |
| 塩味 | ほとんどなし | あり |
マスカルポーネは白くやわらかい見た目で、かためにホイップした生クリームのようにもったりとした、なめらかなクリーム状です。キメが細かく、口に含むとすっと溶けるような食感で、上品な甘みとコクがあります。酸味や塩味は控えめで、後味にほのかなミルクの風味が残るクセの少ないチーズです。
クリームチーズの見た目は薄いクリーム色で、バターのようになめらかでやわらかいのが特徴です。チーズ特有のコクと塩味があり、キメが細かくしっとりとした味わいで、乳酸菌由来のさわやかな酸味と乳脂肪分のクリーミーなミルクの風味を感じることができます。マスカルポーネと比べると酸味や塩味が強く、質感も重めです。
歴史の違い
マスカルポーネの原産地はイタリアのロンバルディア地方で、古くは生乳の脂肪分が増す冬にしか作られない貴重なチーズでした。12世紀にイタリアを訪れてこのチーズを食べたスペイン総督が「マス・ケ・ブエノ」(なんて素晴らしい!)と称賛したことが「マスカルポーネ」という名前がついた由来とも言われています。
クリームチーズの原産国は不明ですが、世界最古のチーズのひとつと言われており、古くからヨーロッパで作られていたようです。19世紀のアメリカで現代のクリームチーズの形が定着し、デンマーク、フランス、オーストラリアなど世界各国に広まっています。
フレッシュチーズとは?
マスカルポーネとクリームチーズはどちらも「フレッシュタイプ」のチーズです。「フレッシュタイプ」とは、熟成させずにそのまま食べられる種類のこと。乳に乳酸や酵素などを入れて固め、水分を除いて作られ、熟成させないのが特徴です。
フレッシュタイプのチーズには、マスカルポーネやクリームチーズ以外にも、カッテージチーズやフェタチーズ、モッツァレラやリコッタチーズなどがあります。
🧀フレッシュタイプのチーズの種類🧀
■マスカルポーネ・クリームチーズ:比較的脂肪分の高いチーズ
■カッテージチーズ:水分が多く、脂肪は通常か少なめ
■フェタチーズ、モッツァレラ:弾力性があり水分が少ない
■リコッタチーズ:水分が多めでやわらかい
フレッシュタイプはほかのチーズと比べて水分が多く、熟成させないため、クセが少なく食べやすい味わいです。鮮度がおいしさを左右するので、開封後はパッケージの表記に従って保存し、早めに食べ切りましょう。冷凍すると食感や風味が落ちてしまうので、冷凍保存は避けましょう。
🧀「フレッシュ」以外のタイプ種類🧀
■カビタイプ
■ウォッシュタイプ
■セミハードタイプ
■ハードタイプ
フレッシュタイプ以外に、白カビや青カビを繁殖させて熟成させる「カビタイプ」のチーズ、塩水などで外皮を洗いながら熟成させる「ウォッシュタイプ」のほか、水分の少ない「セミハードタイプ」や「ハードタイプ」などがあり、製法によってさまざまな種類に分類されます。
マスカルポーネとクリームチーズの使い方
マスカルポーネとクリームチーズはそのまま食べるだけでなく、いろいろなスイーツや料理に使うことができます。以下でそれぞれの活用法をみていきましょう。
| 用途 | マスカルポーネ | クリームチーズ |
|---|---|---|
| スイーツ | ティラミス、チーズケーキ ムース、パンや果物と合わせる |
チーズケーキ(ベイクド・レア) 各種スイーツ |
| 料理 | 生クリームの代わりに使用 コーヒーやチョコレート ワインと相性抜群 |
パンやクラッカーに塗る チーズソース 料理全般に活用 |
マスカルポーネ
マスカルポーネは酸味や塩気が少ないクセのない味わいで乳脂肪分が高いことから、生クリームのようにスイーツ作りに使われることが多いチーズです。ティラミスやチーズケーキ、ムースなどのスイーツのほか、パンや果物と合わせたり、生クリームの代わりに料理に使われたりします。
まろやかな風味と甘味があるため、苦味の強い食材やお酒との相性が抜群です。コーヒーやチョコレート、ブランデーやワインなどと合わせて食べると、マスカルポーネのおいしさがより引き立ち、特徴を存分に活かすことができます。
クリームチーズ
クリーミーで濃厚な質感と、チーズらしい酸味や塩味が特徴のクリームチーズ。ベイクド、レアなどさまざまなタイプのチーズケーキや、そのほかのスイーツ作りに使われます。パンやクラッカーなどに塗って食べたり、チーズソースの材料になったりと、料理にも大活躍。
ドライフルーツやナッツ、ハーブやスパイス類を混ぜたタイプの商品も各メーカーから販売されており、さまざまな楽しみ方ができます。そのままでもアレンジしてもおいしくいただける、汎用性の高いチーズです。
マスカルポーネチーズを使ったおすすめレシピ
マスカルポーネとクリームチーズの違いが分かったところで、ここからはそれぞれの特徴を活かしたレシピをご紹介します。まずはマスカルポーネのレシピから!定番のティラミスやニョッキのソースまでピックアップしているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
とろ〜り本格ティラミス
本格的に仕上げたティラミスのレシピをご紹介します。軽やかな食感のマスカルポーネクリームにコーヒーシロップの染み込んだビスケットをはさみ、大人向けの味わいに仕上げました。コーヒーの苦味と香り豊かなココアパウダーが、さわやかなマスカルポーネと相性抜群の一品です!
さっぱり マスカルポーネのフルーツサンド
人気のフルーツサンドも生クリームではなく、軽い酸味のあるマスカルポーネを使うことで、さっぱりとした味わいに!フルーツの甘みが引き立ち、おやつにも朝食にもぴったりの一品に仕上がります。このレシピでは、キウイと黄桃缶を使いましたが、お好みのフルーツで作ってもおいしいので、ぜひ試してみてくださいね。
濃厚 柿とマスカルポーネのアイスクリーム
意外な組み合わせがクセになる!柿とマスカルポーネのアイスクリームをご紹介します。柿の甘みとほのかな渋みがコクのあるマスカルポーネとよく合い、濃厚で深みのある味わいをお楽しみいただけます。混ぜ合わせるだけの簡単レシピなので、柿がおいしい季節にぜひ試してみてくださいね。
アボカドツナとマスカルポーネのディップ
おつまみにぴったりな、アボカドツナとマスカルポーネのディップはいかがですか?森のバターと呼ばれるアボカドと、なめらかなマスカルポーネは間違いない組み合わせ!混ぜ合わせれば、クリーミーで絶品のディップを作ることができます。旨味たっぷりのツナを加えれば、より満足度の高い一品の完成です!ぜひ作ってみてくださいね。
マスカルポーネで濃厚 クリームニョッキ
ワインによく合う、クリームニョッキのレシピです。マスカルポーネと生クリームで作るクリームソースがニョッキに絡み、濃厚な味わいをお楽しみいただけます。このソースはバゲットなどにつけて食べるのもおすすめなので、ぜひ試してみてくださいね。
クリームチーズを使ったおすすめレシピ
続いては、クリームチーズのレシピをご紹介します。いちごのパフェや桃のクリームチーズパイといったスイーツから、かぼちゃのクリームチーズサラダなど、クリームチーズのおいしさを堪能できるレシピを集めました。
断面美!イチゴのクリームチーズパフェ
いちごをたっぷり使ったティラミス風のクリームチーズパフェです。バター香るビスケットに甘酸っぱいチーズクリームとフレッシュないちごを重ね、ココアパウダーをたっぷりトッピングしました。濃厚な味わいで食べ応え抜群の一品です!
ゴロゴロ桃のクリームチーズパイ
桃をたっぷり使った、デニッシュ風のチーズパイを作ってみませんか?桃とチーズは相性抜群の組み合わせ!ジューシーで甘い桃とコクのあるクリームチーズの酸味がよく合い、やみつきになるおいしさですよ。ぜひ試してみてくださいね。
さっぱり!クリームチーズスコーン
ティータイムにぴったりな、クリームチーズスコーンのレシピをご紹介します。クリームチーズのさわやかな酸味と塩味がクセになり、ついつい手が伸びるおいしさですよ!甘さも控えめなので朝食にもおすすめの一品です!ぜひ焼き立てを召し上がってくださいね。
デリ風 かぼちゃのクリームチーズサラダ
こっくり甘いかぼちゃを使ってデリ風のサラダを作ってみましょう!このレシピではホクホクのかぼちゃと角切りにしたクリームチーズを合わせ、ヨーグルトを加えたマヨネーズソースで和えました。お好みでレーズンやナッツを加えると、よりデリ風の見た目と味わいに仕上がりますよ。
クリームチーズで ふわもちちぎり白パン
見た目もかわいらしい、ちぎりパンのレシピをご紹介します。クリームチーズを練り込んだ生地を低温で焼き上げているので、ふわふわでもちもちとした食感をお楽しみいただけます。そのままでも十分おいしいですが、シンプルな味わいなので、お好みでジャムをつけて食べるのもおすすめです。
それぞれの個性を活かしたデザートや料理に
いかがでしたか?今回は、マスカルポーネとクリームチーズの違いをご紹介しました。どちらもクセが少なく食べやすいフレッシュチーズですが、製法の違いによって味わいや見た目が異なります。それぞれの個性を活かしたデザートや料理を作って、チーズのおいしさを楽しんでみてくださいね!
クラシルでは、マスカルポーネやクリームチーズだけでなく、さまざまな種類のチーズを使ったレシピをご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。

