最終更新日 2023.3.30

"唐辛子"の特徴を種類別に解説!おすすめ活用レシピもご紹介

"唐辛子"の特徴を種類別に解説!おすすめ活用レシピもご紹介

「唐辛子」の種類はとても多く、約100種もの品種があると言われています。今回は日本の唐辛子の種類をはじめ、海外で栽培されている激辛唐辛子や、その辛さを表すスコヴィル値についても解説します。ししとうや万願寺唐辛子、ハラペーニョなど、さまざまな唐辛子の活用レシピも合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

  • 目次
  • 唐辛子とは?
  • 辛さの単位を表す「スコヴィル値」
  • 日本の唐辛子(辛味種)
  • 日本の唐辛子(甘味種)
  • 世界の唐辛子
  • ピリッと辛い!鷹の爪の活用レシピ
  • 辛さがやみつき 辣子鶏
  • 激辛 冷製アラビアータ

唐辛子とは?

「唐辛子」とは、中南米原産のナス科トウガラシ属の植物のこと。熱帯から温帯まで幅広い地域で栽培されており、変種ができやすいので種類がとても多いのが特徴です。辛いイメージが強いですが、ししとうや万願寺唐辛子など辛くない品種も多く、そのようなものは「甘唐辛子」や「スイート・ペッパー」と呼んで区別されています。

唐辛子は種の部分が辛いと言われていますが、辛いのは「胎座」という種の周りの白い部分です。生の唐辛子であれば、胎座を取り除くと辛味が減ってししとうのような味わいになります。ただし、乾燥させたものは辛味成分が種や果肉にも移っているので、胎座以外の部分も辛くなります。

辛さの単位を表す「スコヴィル値」

唐辛子の辛さを表す単位に「スコヴィル値」というものがあります。これは、唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンの量を測定したもので、この数値が高いほど辛味が強くなります。

現在、世界で最も辛い唐辛子は「ペッパーX」というもので、その値はなんと318万スコヴィル 。ハバネロの約100倍の辛味があり、皮膚に触れるだけで炎症を起こしてしまうので、生のまま食べることはできないのだとか。

日本の唐辛子(辛味種)

まず最初に、日本の辛い唐辛子の種類をご紹介します。唐辛子といえば鷹の爪が代表的ですが、ほかにもたくさんの種類があるんですよ!その中から代表的なものをいくつか見てみましょう。

◼︎鷹の爪
日本で一番多く栽培されている唐辛子です。長さ3cm程の実がピンと立つようにつく姿が鷹の爪のように見えることから、その名がつけられたと言われています。乾燥させたものを料理に加えるほか、一味唐辛子の原料にも使われます。

◼︎熊鷹
鷹の爪の約6倍の辛味がある、激辛唐辛子です。長さ4〜8cmと細長い形をしており、日本の唐辛子の中で一番辛いと言われています。

◼︎激辛なんばん
北海道の伝統野菜で、細長く強い辛味のある唐辛子です。北海道の郷土料理である三升漬や南蛮味噌の原材料などに使われます。

◼︎福耳とうがらし
細長いピーマンのような形をした、マイルドな辛味の青唐辛子です。肉厚でパリッとした食感があり、ほどよい辛味なので生のまま食べることもできます。

◼︎弥平唐辛子
滋賀県で作られている、かわいらしいオレンジ色の唐辛子です。見た目はミニサイズのにんじんのようですが、その辛さは日本で一番辛い熊鷹に匹敵すると言われています。

◼島とうがらし
九州や沖縄で栽培されている小ぶりの唐辛子です。辛味が強くすっきりとした風味があり、これを泡盛に漬け込んだ「コーレーグース」という調味料は、沖縄の特産品のひとつとなっています。

日本の唐辛子(甘味種)

ここからは「甘唐辛子」と呼ばれる、辛くない唐辛子の種類をご紹介します。ピーマンやパプリカも同じ甘唐辛子の一種ですが、今回は「唐辛子」と呼ばれているものだけをいくつか見てみましょう。

◼ししとう(獅子唐)
「ししとう」は「ししとうがらし」とも呼ばれる、長さ5〜6cm程の甘唐辛子です。ほのかな甘みと苦味があり、揚げ物や焼き物、炒め物など幅広い料理に使われます。中には、たまに辛いものがありますが、これは育つ過程で乾燥などの強いストレスにさらされることが原因なのだそうです。

◼万願寺唐辛子
ブランド京野菜のひとつで、長さ20cmを超える大ぶりの甘唐辛子です。肉厚でジューシーな甘味があり、その味のよさから「唐辛子の王様」と呼ばれています。ちりめんじゃこと一緒に含め煮にした料理「万願寺唐辛子とじゃこのたいたん」は、京都ではおばんざいのひとつとして親しまれています。

◼伏見唐辛子
京の伝統野菜のひとつで、長さ10〜15cm程の細長い甘唐辛子です。色は緑色でスラッとした形をしているので、別名「ひもとう」とも呼ばれています。果肉はやわらかくて甘味があり、揚げ物や焼き物、炒め煮などに使われます。

◼甘とう美人
万願寺唐辛子によく似た、長さ15cm程の甘唐辛子です。果肉はやわらかくてツヤがあり、ほどよい厚さで苦味が少ないのが特徴です。万願寺唐辛子より栽培しやすいので、家庭菜園でも人気があります。

※『甘とう美人』は「タキイ種苗株式会社」の登録商標又は商標です。

◼葉唐辛子
葉つきの唐辛子を枝ごと収穫したものです。葉にも唐辛子の風味があるので、サッとゆでたものを唐辛子と一緒に調理します。京都では伏見唐辛子を使うことが多く、炒め煮や佃煮にしていただくのが一般的です。

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世界の唐辛子

世界各国ではさまざまな唐辛子があり、激辛ブームの影響でギネス認定の「世界一辛い唐辛子」はつぎつぎと更新されています。こちらでは激辛唐辛子を中心に、代表的なものをいくつか見てみましょう。

◼ハラペーニョ
メキシコの代表的な唐辛子のひとつで、程よい辛味と爽やかな風味があります。タコスやサルサ、ワカモレなどメキシコ料理に幅広く使われるほか、サラダやピクルス、フリットなどにしていただきます。

◼ハバネロ
中南米で栽培されている、小ぶりの激辛唐辛子です。赤みを帯びたオレンジ色でパプリカのような形をしており、強烈な辛味の奥にフルーティーな風味があります。主にチリソースの原材料にされますが、日本ではスナック菓子に使われたことで一躍有名になりました。

◼ブート・ジョロキア
2007年に世界一辛い唐辛子としてギネス認定された、インド・バングラデシュ原産の激辛唐辛子です。表面は赤っぽくザラザラとしている、いかにも辛そうな見た目が特徴です。インドでは象を寄せつけないために、すりつぶしたものを柵に塗ることもあるそうです。

◼キャノライナ・リーパー
2013年に世界一辛い唐辛子としてギネス認定された、アメリカ原産の超激辛唐辛子です。果肉は赤く縮れたような形をしており、先端の尖った部分を「reaper(死神の鎌)」に見立ててその名がつけられたそうです。尋常ではない辛さなので、目に触れると失明の恐れがあり、調理の際は防護服を着用する必要があるそうです。

◼プリッキーヌ
タイを代表する唐辛子のひとつで、辛味が強く爽やかな風味があります。長さ2〜3cmの小さな姿から「prik keenoon(ネズミのフンのような)」という名がつけられたそうです。生のまま使われることが多く、タイカレーやトムヤンクン、ガパオなどのタイ料理を作るうえで欠かせない食材です。

◼韓国唐辛子
マイルドな辛味で風味がよく、ほのかな甘味もあるので生のまま食べることもできます。真っ赤な色合いを活かして、韓国料理の味つけやキムチ、コチュジャンの原料などに幅広く使われます。韓国では完熟前の青唐辛子をみそやしょうゆに漬けて、そのままおかずとしていただくこともあります。

ピリッと辛い!鷹の爪の活用レシピ

試してみたい唐辛子は見つかりましたか?ここからは、唐辛子の活用レシピをいくつかご紹介します。まずは、日本で一番親しまれている鷹の爪を使ったレシピを見てみましょう!

辛さがやみつき 辣子鶏

辣子鶏(ラーズージー)とは四川料理のひとつで、鶏の唐揚げと唐辛子を炒め合わせた激辛料理のことです。花椒がふわっと香り、鷹の爪の辛味が効いたスパイシーな味わいは、辛いものがお好きな方にはたまらないおいしさ!お酒のおつまみにもぴったりな味わいですよ。

激辛 冷製アラビアータ

見た目は普通のアラビアータですが、鷹の爪をたっぷりと加えているので激辛!鷹の爪とトマトの風味が絶妙にマッチして、じわじわと広がるような辛味が楽しめる一品です。冷製パスタなので、あと味がすっきりとしていておいしいですよ。

冷製 激辛ペペロンチーノ

鷹の爪輪切りをふんだんに加えた、冷製激辛ペペロンチーノはいかがでしょうか。冷たいパスタにニンニクと唐辛子、オリーブオイルの風味がしっかりと絡み、たまらないおいしさ!いつもとひと味違うペペロンチーノが食べたいときに、ぜひお試しくださいね。

メキシカン!ハラペーニョの活用レシピ

爽やかな辛味のあるハラペーニョは、メキシコ料理を作るうえで欠かせない食材のひとつです。ハラペーニョのピクルスは輸入食材店で購入することができますので、見かけたらぜひ手にとってみてくださいね。

ハラペーニョのトマトクリームパスタ

ハラペーニョはパスタと相性がよく、ソースに加えると爽やかな辛味がアクセントになります。こちらのレシピではトマトクリームソースと合わせて、仕上げにカッテージチーズをのせることで、辛味と旨味のバランスが絶妙な一品に仕上がりますよ。

サルサソースとハラペーニョのホットドック

サルサソースとハラペーニョのホットドックです。パリッと焼いたソーセージに、サルサソースとハラペーニョの辛味が相性抜群です。サルサソースは、トマトやピーマン、たまねぎを刻み、身近な調味料と合わせるだけで、簡単に作ることができるので、お手軽ですよ。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W250℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

ハラペーニョでメキシカンケサディーヤ

ケサディーヤとは、トルティーヤ生地で作るメキシコ風のピザのこと。こちらのレシピでは、ハラペーニョ入りのタコスミートとチェダーチーズを挟んで、スパイシーで濃厚な味わいに仕上げました。お酒のおつまみにぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。

サッと手軽に!ししとうの活用レシピ

ここからは、ししとうなど甘唐辛子の活用レシピをご紹介します。小ぶりでやわらかいししとうは、サッと短時間で火を通して食感を活かすことがポイントですよ。

ポン酢でさっぱりナスとししとうの揚げ浸し

ししとうとナスをさっと揚げて、ポン酢ベースのタレに浸けてさっぱりと仕上げました。生姜がふわっと香る爽やかな味わいは、暑い季節にぴったりです!ナスとししとうが熱いうちにタレに浸けると、味がよく染み込みますよ。

鶏もも肉とししとうの甘辛焼き

今晩のおかずに、鶏もも肉とししとうの甘辛焼きはいかがでしょうか。甘辛くジューシーな味わいに、一味唐辛子のピリッとした辛味が効いて、ごはんが進みます!ごはんのおかずにも、お酒のおつまみにもおすすめの一品ですよ。

簡単 ししとうとしらすのカマンベールチーズ焼き

簡単に作れて豪華に見える!ししとうとしらすのカマンベールチーズ焼きです。耐熱容器にカマンベールチーズとししとう、しらすを並べ、オーブントースターで焼くだけで絶品おつまみのできあがり!特にワインと相性抜群ですので、ぜひお試しくださいね。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

甘くジューシー!万願寺とうがらしのレシピ

肉厚でジューシーな万願寺唐辛子は、シンプルな調理で素材本来のおいしさを楽しむのがおすすめです。和洋中と幅広い料理に活用することができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

生姜醤油がよく合う 焼き万願寺とうがらし

万願寺唐辛子のおいしさをシンプルに楽しむなら、やはり素焼きがおすすめです!種や胎座もおいしいので、そのままフライパンで香ばしく焼くことがポイントですよ。かつお節をたっぷりとかけて、香り高くジューシーな味わいをお楽しみください!

万願寺とうがらしの和風ペペロンチーノ

万願寺唐辛子は、パスタの具材にしても絶品!こちらのレシピでは、万願寺唐辛子をごろごろと加えてジューシーな食感を活かしました。アンチョビとニンニクの風味が効いた香ばしい味わいは、一度食べたらやみつきになるおいしさですよ。

甘長唐辛子と豚バラ肉の中華風炒め

万願寺唐辛子が手に入らない場合は、甘長唐辛子などほかのししとうで代用することもできます。豚バラ肉と炒め合わせてオイスターソースで中華風に味つけすれば、ごはんによく合うおかずのできあがりです!

さまざまな種類を試してみよう!

いかがでしたか?日本の唐辛子の種類をはじめ、海外で栽培されている激辛唐辛子や、さまざまな唐辛子の活用レシピなどをご紹介しました。唐辛子はとても種類が多く、ししとうのような甘味唐辛子からハバネロのような激辛唐辛子までさまざまな品種があります。旬である夏には新鮮な唐辛子がたくさん出回りますので、ぜひお好みのものを見つけてみてはいかがでしょうか。

クラシルでは、ほかにもたくさんの唐辛子レシピをご紹介しています。そちらも合わせて参考にして、ぜひお気に入りの一品を見つけてみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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