最終更新日 2023.9.11

「山芋」と「長芋」はどう違う?それぞれの個性を活かしたレシピも!

「山芋」と「長芋」はどう違う?それぞれの個性を活かしたレシピも!

とろろごはんでおなじみの「山芋」。スーパーでは「山芋」や「長芋」と表記されていますが、両者に違いはあるのでしょうか。今回は「山芋」と長芋の違いや、さまざまなヤマノイモ科の芋の特徴についてご紹介します。記事後半では、山芋や長芋を使ったおいしいレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • 山芋とは?
  • 長芋とは?
  • 山芋は生でも加熱しても食べられる珍しい芋類
  • それぞれ味わいが異なる種類別の特徴
  • 自然薯
  • いちょう芋
  • つくね芋
  • とろろだけじゃない!山芋活用レシピ

山芋とは?

山芋は特定の品種と考えられがちですが、実は「ヤマノイモ科」に属する芋の総称です。山芋と呼ばれる代表的な芋には、自然薯や長芋、いちょう芋、つくね芋などがあります。

ヤマノイモ科はさらに細かく、ナガイモ種・ヤマノイモ種・ダイジョ種に分かれます。以下、それぞれどの種類に属するのかまとめましたのでチェックしてみましょう。

ナガイモ種
長芋やいちょうの葉のような形のいちょう芋、大和芋など。

ヤマノイモ種
野生種として知られる自然薯。

ダイジョ種
九州のつくね芋やため芋など。

長芋とは?

長芋はヤマノイモ科の芋類の一種。そのうちナガイモ種に分類されるのが長芋です。つまり、山芋と長芋は別のものというより、数ある山芋のうちのひとつが長芋ということになります。北海道や東北地方が原産地で、こん棒のようにまっすぐの長い形が特徴です。

長芋はヤマノイモ科の植物の中では水分量が多く、粘り気は少なめです。味わいも比較的淡白。すりおろすとサラサラした食感で、ほかの食材と混ぜやすいのが特徴です。長芋は旬が2回あり、11月から12月にかけてはみずみずしい味わいが、3月から4月にかけては濃い旨味が楽しめます。

山芋は生でも加熱しても食べられる珍しい芋類

ヤマノイモ科の芋類は、生で食べることができる世界的にも珍しい芋です。芋類にはそのままだと消化されにくいでんぷんが多く含まれていますが、ヤマノイモ科の芋類にはでんぷん質の一部を消化する「ジアスターゼ」という成分が含まれています。この消化酵素のはたらきと、粘り成分ののどごしのよさから生食することができるのです。

生食する場合はすりおろして「とろろ」にするのがおすすめ!種類によって粘り気が違い、必要に応じて出汁などで伸ばしていただきます。それ以外にも、切って刺し身やサラダ、和え物などにすれば、特有のシャキシャキとした食感をお楽しみいただけますよ。

そんな生で食べてもおいしい山芋ですが、加熱するとひと味違った味わいになるのも魅力のひとつ!主成分であるでんぷんに熱が加わると全く違う食感に変化します。火の入れ方によって、サクサクとした食感からホクホクとした食感になり、旨味も豊かになります。輪切りにしてソテーやグラタンなどにすれば主役級のおかずに大変身しますよ!

また、すりおろしてとろろにしたものを加熱すると、ふわふわもちもちした食感になり、やわらかな口当たりと豊かな風味が生まれます。お好み焼きのつなぎや磯辺焼き、天ぷらなどの揚げ物として食べるのも人気です。

調理の仕方によって食感が変わるのは面白いですよね!

それぞれ味わいが異なる種類別の特徴

さてここからは、山芋と呼ばれる芋の種類を詳しく見ていきましょう。それぞれ粘度や味わいが違うので、特徴をチェックしてみてくださいね。

自然薯

自然薯は日本の山野に古くから自生する日本原産の山芋です。旬は11月から12月頃。天然物以外に最近では栽培されたものもあります。自然薯は希少価値が高く、高価です。

非常に粘り気が強く、すりおろしたものはどろりとした弾力があります。長芋と比べると4~5倍の粘り気と言われているほど。濃厚な味わいで、天然物はアクも強めです。刺身やとろろにしたり、磯辺揚げにしたりして食べられます。出汁と混ぜて水分を含ませると、おいしさが際立ちます。

いちょう芋

いちょう芋の主な産地は群馬や千葉、埼玉県など、関東が中心です。旬は11月~1月頃。

いちょう芋は長芋よりも粘り気が強く、力強い風味と甘みが特徴です。すりおろすと強い粘りが出て、箸でつかめるくらいのしっかりしたとろろができます。アクは少なめで、切っても変色しにくいのが魅力です。

つくね芋

げんこつのように丸くごつごつした形のつくね芋は、水分が少ないため粘りが非常に強いのが特徴です。さきほどご紹介したいちょう芋も粘りが強いとお伝えしましたが、つくね芋の粘りはそれ以上で山芋のなかでもっとも粘りが強いと言われています。加熱するとふっくらとするのでとろろはもちろん、揚げ物や磯辺焼きに使われることも多いです。丸めて素揚げにしたものはお餅のような食感になりますよ。

とろろだけじゃない!山芋活用レシピ

ヤマノイモ科に含まれる芋の特徴がわかったところで、ここからはそれぞれの芋の特徴を活かしたレシピをご紹介します。山芋を使った磯辺焼きやグラタンなどさまざまなレシピを集めました。ぜひチェックしてみてくださいね。

鶏むね肉と山芋の青椒肉絲

鶏むね肉と山芋の青椒肉絲のレシピです。タケノコの代わりに山芋を、牛肉の代わりに鶏むね肉を使用してひと味違う青椒肉絲に仕上げました。山芋のシャキシャキとした食感がクセになる、ごはんのおかずにぴったりの一品です。

レンコンと山芋のきんぴら

副菜にぴったり!レンコンと山芋を甘辛く炒めたきんぴらはいかがでしょうか?じっくり炒めた山芋のホクホクとした食感とレンコンのシャキシャキとした食感が楽しい一品です。山芋をシャキシャキ食感に仕上げたい場合は、レンコンをある程度炒めた後に加えて、サッと短時間で炒めるのがポイントです。ぜひお好みで試してみてくださいね。

叩いて簡単!サクサク山芋いそべ焼き

手軽さがうれしい!山芋の磯辺焼きをご紹介します。山芋をビニール袋に入れて叩き調味料を加えたら、あとは混ぜ合わせて焼くだけ!しょうゆの香ばしい風味と山芋のサクサクとした歯ごたえがたまりませんよ。ビニール袋の端を切って絞り出して焼くので、手やスプーンなどで成形する必要もありません。とても簡単なので、ぜひ作ってみてくださいね。

混ぜて焼くだけ ふわふわ山芋グラタン

山芋のふわふわとした食感が楽しいグラタンのレシピをご紹介します。すりおろした山芋にベーコンや卵を加えて混ぜ、チーズをのせてオーブンでじっくりと焼き上げました。味つけにしょうゆを使っているので、和食の献立にもよく合いますよ!香ばしく焼けたチーズとふわふわの山芋が相性抜群の一品です。

山芋の梅チーズ巻き

山芋を豚肩ロース肉で巻いたボリューム満点の肉巻きです。梅の酸味と大葉の爽やかさ、チーズのコクでお箸が止まらなくなるおいしさ!豚肩ロース肉の旨味を吸った山芋のほっくりとした食感が楽しめます。しっかりとした味つけで、ごはんのおかずにはもちろんお酒のおつまみにもおすすめです。

山芋のレシピをもっと知りたい方はこちらをチェック!

食感を活かして楽しむ!長芋活用レシピ

続いては、ヤマノイモ科の中では粘りが少なく食べやすい長芋のおすすめレシピをご紹介します。定番のとろろごはんや長芋のステーキなど、簡単にお作りいただけるレシピばかりなので、ぜひ作ってみてくださいね。

素朴な味わい 長芋のとろろごはん

ほっこり癒される素朴な味わいの長芋のとろろごはんです。このレシピではみそを加え、風味豊かに仕上げました。とろりとのどごしがよくなめらなかな食感を楽しめます。お好みで角切りにした長芋を加えるのもおすすめです。

ピーマンと長芋の塩昆布炒め

もう一品ほしいときにおすすめ!ピーマンと長芋の塩昆布炒めはぜひレパートリーに加えていただきたい一品です。ほろ苦いピーマンと淡白な味わいの長芋が好相性!さらに塩昆布とめんつゆで味つけすることで、簡単に奥深い味わいのおかずが完成します!ぜひ試してみてくださいね。

長いもでもっちりお好み焼き

すりおろした長芋はお好み焼きに入れるのもおすすめです!生地にとろろを混ぜ込んで焼くとふんわりやわらかく、もっちりとした食感に仕上がります。外側はカリッと、内側はふわとろで、食感の違いを楽しめますよ。

めんつゆで簡単 長芋ステーキ

晩酌のお供に、食感楽しい長芋ステーキはいかがでしょうか。輪切りにした長芋の両面をごま油で香ばしく焼き、めんつゆで味つけしました。ホクホクとした食感の長芋は焼くと旨味を増し、生とはひと味違うおいしさをお楽しみいただけます。ニンニクがふわっと香るお酒にぴったりの一品です。

長芋入りふんわり卵のかきたま汁

寒い日には、ほっとする味わいの長芋入りかきたま汁がおすすめです。かつお出汁のやさしい風味が効いたつゆに、すりおろした長芋を加えて混ぜ合わせた溶き卵を円を描くように流し込み、ふんわりとした食感に仕上げました。長芋のまろやかなおいしさを楽しめる一品です。お好みで豆腐などを加えてもおいしく召し上がれます。

長芋のおつまみレシピはこちらをチェック!

アレンジ自在の山芋、長芋レシピを楽しもう

いかがでしたか?山芋と長芋の特徴や違いのほか、同じヤマノイモ科でる芋の種類について解説しました。とろろや和え物など生で食べるのはもちろん、焼いたり揚げたりとさまざまな調理法で楽しむことができる山芋。種類によってそれぞれ粘度や味わいが異なるので、特徴を活かしておいしい一品を作りたいですね。

クラシルでは、山芋や長芋を使ったさまざまなレシピをご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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2023.3.30 最終更新

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