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料理やお菓子作りに役立つ!生クリームとその他クリームの特徴や使い分けを解説

料理やお菓子作りに役立つ!生クリームとその他クリームの特徴や使い分けを解説

お菓子作りをはじめ、さまざまな料理に使われている「生クリーム」。売り場をのぞいてみると、さまざまな種類が置いてありますよね。そんな生クリームには原料や乳脂肪分などさまざまな違いがあることをご存知ですか?今回は、動物性生クリームを中心に、それぞれの種類や特徴、おすすめの使い分け方をわかりやすく解説します。普段の料理やお菓子作りにぜひ役立ててくださいね!

  • 目次
  • 生クリームの表示について
  • クリームの特徴や使い分け
  • それぞれのクリームの味わいは?
  • とろっと濃厚な味わい!生クリームを使ったおすすめ料理
  • ふんわりリッチな仕上がり!生クリームを使ったおすすめスイーツ
  • 生クリームは用途や目的に合わせて使い分けよう

生クリームの表示について

スーパーで見かける「生クリーム」「ホイップ」「フレッシュ」などの表示は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令(乳等命令)」によってルールが定められています。それぞれの原材料や乳脂肪分、添加物の有無によって表示が異なるため、表示ごとの違いをわかりやすく表にしました。

種類 表示 特徴

純生クリーム

「クリーム」
動物性乳脂肪100%
乳脂肪分18%以上
添加物なし

純乳脂クリーム
「乳等を主要原料とする食品」 動物性脂肪ベース
添加物あり
「純生クリーム」と区別される

コンパウンドクリーム
「乳等を主要原料とする食品」 動物性+植物性脂肪
乳等命令の「クリーム」には
該当しない
植物性クリーム 「乳等を主要原料とする食品」 動植物性脂肪のみ
(パーム油・ヤシ油など)

「生クリーム」と表示できるのは、動物性乳脂肪だけを使い、乳脂肪分18%以上で、添加物が入っていないものだけです。純乳脂クリームやコンパウンドクリーム、植物性クリームには植物性脂肪や乳化剤・安定剤が含まれているため、本物の生クリームとは呼べず、「乳等を主要原料とする食品」に分類されます。スーパーなどで生クリームを選びたい時は、パッケージに「純生クリーム」と書かれている商品を選ぶようにしましょう

クリームの特徴や使い分け

クリームには種類によって風味や扱いやすさに差があります。動物性脂肪だけのものはコクが豊かでしっかり泡立ちますが、植物性脂肪を加えたものは軽い口当たりで扱いやすいなど、それぞれ特徴があります。ここでは、種類ごとの味わいや用途を整理して、選び方や使い方のポイントを解説します。

種類 特徴
動物性生クリーム コクがあり風味が豊か
ホイップでしっかり泡立つ
やや高価、扱いはやや難しい
純乳脂クリーム
生クリームに近い風味
分離しにくく安定
初心者でも扱いやすい
コンパウンドクリーム 風味はやや軽め
口当たりは軽やか
安価、泡立ちやすい
植物性クリーム あっさり軽い味わい
動物性に比べ風味は弱め
安価、扱いやすい

動物性生クリーム

動物性生クリームは、生乳から乳脂肪を取り出したものです。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)において「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分を18.0%以上にしたもの」と定義されています。また、植物性脂肪や乳化剤や安定剤などの添加物も含まれていないものを指します。

実際スーパーなどでは原材料が牛乳以外の生クリームも売られていますが、それを区別するために牛乳からできているものはパッケージに「純生クリーム」と表示されていることもあります。

🍰生クリームのおすすめの使い分け🍰
■乳脂肪18〜30%:さっぱり軽め、コーヒーや紅茶などの飲み物向き
■乳脂肪35〜50%:コクがありデコレーションやお菓子作り向き
・軽めでさっぱりな味わいなら40%以下
・濃厚でリッチな味わいなら40%以上

純乳脂クリーム

動物性の脂肪分が使われているため生クリームと同じような味わいになりますが、乳化剤や安定剤が加わることで分離しにくく、ホイップするときに扱いやすいというメリットがあります。

コンパウンドクリーム

コンパウンドクリームとは、乳脂肪に植物性脂肪を加えたもののこと。動物性の乳脂肪とヤシやパーム、大豆の油など植物性の脂肪分を加えて作られることが多いようです。生乳100%の生クリームよりも風味は弱いですが、口当たりが軽いのが特徴で、安価で購入できます。

植物性脂肪のみのもの

生クリームは動物性の乳脂肪のみを使って作られるのに対し、植物性脂肪のみで作られたクリームもあります。植物性のみのクリームはパーム油やヤシ油などが原料で、動物性の乳脂肪を使ったものと比べると風味や口当たりが軽く、さっぱりとした味わいが特徴です。

💡ワンポイント豆知識💡
スーパーで「ホイップ」や「フレッシュ」と書かれたクリームを見かけることがありますが、これらはホイップクリームに分類されます。「ホイップ」は本来『泡立てる』という意味ですが、スーパーで売られているホイップクリームは、乳脂肪を植物性脂肪に置き換えたものもあります。

ホイップクリームと生クリームの違いについてもっと知りたい方はこちら!

それぞれのクリームの味わいは?

生クリームは含まれている乳脂肪分の違いによって味わいが異なります。ここでは乳脂肪分35%の生クリームと植物性脂肪分40%のホイップクリームを泡立てたときの味わいや見た目の違いをご紹介します。

分類 脂肪分 味わい
生クリーム 乳脂肪分35% 空気を含んだふわふわ食感
口でとろけるミルクのコクと香り
ホイップクリーム 植物性脂肪分40% 密度が高くもったり
あっさりとした味わいで
ミルク風味は控えめ

乳脂肪分35%の生クリーム

乳脂肪分が高い生クリームは、絞りだすと角が丸くやわらかい印象になります。なめらかでつやのある仕上がりですが、形のキープ力はやや弱めです。泡立てすぎるとぼそぼそとした見た目になるので注意しましょう。色は生成のようなうっすらと黄色がかっており、温かみのある見た目にしたいときにおすすめです。

植物性脂肪40%のホイップクリーム

ホイップクリームは生クリームよりも形を保ちやすく、デコレーション作業に向いています。扱いやすく、作業中にかたさが変わりにくいのも特徴です。色はほぼ真っ白で、白く仕上げたいお菓子に最適です。あっさりとした口当たりで、ミルク風味を控えたい場合にも便利です。

とろっと濃厚な味わい!生クリームを使ったおすすめ料理

生クリームの種類や特徴が分かったところで、ここからは生クリームを使ったおすすめの料理をご紹介します。毎日の献立に取り入れやすいカルボナーラやトマトクリーム煮など、まろやかでクリーミーな味わいの絶品レシピばかり!ぜひ作ってみてくださいね。

生クリームで作る 濃厚カルボナーラ

幅広い年代に人気のカルボナーラを、生クリームを使って濃厚に仕上げました。卵、生クリーム、粉チーズで作るソースはこってりとした味わいで、やみつきになること間違いなし!カルボナーラソースは失敗しやすく難しいイメージがありますが、このレシピではベーコンを炒めたあとにゆでたパスタを入れてソースを絡めています。ソースにゆっくり火が入るので失敗しにくいですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

鶏ときのこのトマトクリーム煮

パスタにもごはんにもよく合う、こっくりおいしいトマトクリーム煮を作ってみませんか?鶏肉としめじ、マッシュルームなど、手に入りやすい食材で作れるうれしいレシピです。トマトの酸味が生クリームを加えることでマイルドになり、さらにコク深い味わいを楽しめます。材料さえ揃えれば手軽に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

レモン風味 鮭のきのこクリームソテー

バターの風味が香ばしい鮭のムニエルを、きのこの旨味が溶け込んだクリームソースで煮込みました。こちらのレシピのクリームソースは仕上げにレモン汁を加えているので、さわやかな香りがプラスされ、濃厚でありながらもさっぱりといただくことができますよ。鮭をソテーした後に残った脂できのこを炒めるのがおいしく仕上げるコツ!塩鮭を使っているので用意する調味料の種類が少なく、簡単に作れるのもうれしいですね。

玉ねぎオムレツのきのこクリームソースがけ

玉ねぎの甘みが加わったふわふわのオムレツに、きのこのクリームソースをかけてリッチな味わいに仕上げました。クリームソースにはしいたけとエリンギを加えて食感と旨味をプラス!食べ応えも増して、満足度の高い一品に仕上がります。このレシピではオムレツにも生クリームを使っているので、ふわふわでコクのある味わいを楽しめますよ。クリームソースは、バターライスで作るオムライスにかけてもおいしくいただけますので、アレンジも楽しんでみてくださいね。

ふんわりリッチな仕上がり!生クリームを使ったおすすめスイーツ

続いては、生クリームを使ったスイーツレシピのご紹介です。どのレシピも手軽に作れて、リッチな味わいをお楽しみいただけますよ。ぜひチャレンジして、至福のティータイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。

ふわとろ キャラメルナッツパンケーキ

ふわふわのパンケーキに泡立てた生クリームとキャラメルソースをかけて、インパクトのある見た目に仕上げました。生地に無糖ヨーグルトとメレンゲを加えることで、いつものパンケーキがしっとりとふわふわ食感に仕上がります。メレンゲの泡はつぶれやすいので、生地を作ったらすぐに焼くのがおすすめです。パンケーキに生クリームとキャラメルソースをたっぷり絡めてお召し上がりくださいね。

ごろごろ栗の抹茶ロールケーキ

生クリームと栗の甘露煮を混ぜ込んで、抹茶の生地で巻いた和風ロールケーキをご紹介します。なめらかなクリームとふわっとした生地に、栗の食感がアクセントになっていて絶品ですよ!生地を巻いた後は冷蔵庫で1時間ほど休ませることによって生地とクリームがなじみ、しっとりおいしくいただけます。秋が旬の栗ですが、甘露煮を使えば年中楽しめるのもうれしいですね。コーヒーはもちろん、紅茶や緑茶とも相性抜群なので、ティータイムのお供にぜひ作ってみてください。

HMで簡単 生クリームパウンドケーキ

ホットケーキミックスを使って簡単にパウンドケーキを作ってみましょう!泡立てた生クリームを加えることでふわっとした食感に仕上がります。ホットケーキミックスを使うことで失敗も少ないので、お菓子作り初心者の方にもおすすめのレシピです!ホットケーキミックスを入れてからは粘りが出ないようにさっくりと軽く混ぜ合わせるのがおいしく作るポイント。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

パウンドケーキのレシピをもっと知りたい方はこちらをチェック!

材料3つで簡単 生チョコ

使う材料はたったの3つ!簡単に作れる生チョコレシピは、ぜひ試していただきたい一品です。温めた生クリームに刻んだチョコレートを加えて冷やし固めるだけの簡単レシピですが、一口食べれば口の中でとろけるなめらかな生チョコができあがります。ココアパウダーをかけることで、ほろ苦さがプラスされバランスのよい味わいに仕上がりますよ。普段のおやつやおもてなしにおすすめの一品です。

生チョコのレシピをもっと知りたい方はこちらをチェック!

ロイヤルミルクティーのパンナコッタ

濃い目に煮出した紅茶に生クリームと牛乳を加え、ミルキーで濃厚な口当たりのパンナコッタに仕上げました。粉ゼラチンを使って冷蔵庫で冷やし固めるだけなので手軽に作ることができますよ。紅茶の華やかな香りとなめらかな口どけ、まったりとした味わいは手作りならでは。最後にホイップとミントを添えることによって、よりリッチな見た目の一品に仕上がりますよ。

パンナコッタとは?ババロアとの違いも解説!

簡単 あずきアイス

生クリームとこしあん、練乳を混ぜ合わせて冷凍庫で冷やすだけ!とっても簡単に作れるあずきアイスをご紹介します。生クリームをたっぷり使っているので、濃厚な味わいに仕上がりますよ。冷凍庫で冷やすときは途中で一度混ぜ合わせることによって空気を含みふわっとした食感に。あんこはこしあんだとなめらかな味わいに仕上がり、つぶあんだと食感も楽しめるのでお好みに合わせて作ってみてくださいね。

生クリームは用途や目的に合わせて使い分けよう

生クリームの種類や特徴、おすすめのレシピをご紹介しました。生クリームは生乳や牛乳を原料にした乳脂肪分18%以上のクリーム、ホイップクリームは植物性油脂と動物性油脂を混ぜたもの、もしくは植物性油脂のみを使用したクリームです。 どちらも味わいや見た目に特徴があるので、用途や目的によって使い分けてみましょう。今回ご紹介したレシピもぜひ作ってみてくださいね。

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