「ハマチ」と「ブリ」は同じ魚？それぞれの特徴や簡単レシピもご紹介！

出世魚とも呼ばれる「ハマチ」。「ブリ」と味や見た目がよく似ていますが、それぞれの違いをご存知ですか？今回は、ハマチの特徴やブリとの違い、おいしく食べられるレシピをご紹介します。ぜひチェックしてみてくださいね！

ハマチとブリは、実は同じ魚です。どちらも「スズキ目アジ科ブリ属」に属し、成長とともに名前が変わる「出世魚」として知られています。

漢字では、ハマチは「魬」、ブリは「鰤」と書きます。

この魚は、成長段階によって名前が変わるだけでなく、地域によっても呼び方が異なるのが特徴です。とくに関東と関西ではサイズごとの呼び名が異なるため、少し混乱しやすいかもしれません。

以下の表で、成長段階ごとの呼び名をまとめたので、確認してみてくださいね。

表をもとに、関東と関西での呼び方の違いをもう少しくわしく見ていきましょう。

関東では、天然の60cmほどの個体を「ワラサ」、一方で養殖されたものを「ハマチ」と呼ぶのが一般的です。つまり、関東では「ハマチ＝養殖魚」という認識が強く、天然物にはあまり使われません。

関西では、40cmほどの中型サイズの個体を「ハマチ」と呼び、天然・養殖どちらも含むのが特徴です。つまり、関東と比べてやや小さめの魚にも「ハマチ」の呼び名が使われるという違いがあります。

💡ワンポイント豆知識
全国のスーパーや回転寿司で提供されているハマチは、ほとんどが養殖された60cm前後のもです。
関西ではこのサイズを「ハマチ」、関東では「ワラサ（天然）」「ハマチ（養殖）」と呼び分けることが多く、表示のされ方には地域性が反映されていることもあります。
「ブリ」とされるサイズの基準も地域によって異なり、70cm以上や90cm以上とするケースもあり、全国で統一された明確な定義はないのが実情です。

天然ハマチの旬は、夏から秋にかけてです。冬になると「寒ブリ」と呼ばれる大物のブリが出回りますが、その子どもにあたるハマチはひと足早く旬を迎えます。

しかし、養殖のブリやハマチは一年を通して出回っているので、旬を問わずに安定した品質のものを食べることができます。

以下で旬と味わいの違いを表にまとめたので、参考にしてみてくださいね。

表の内容をふまえて、それぞれの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

適度に脂がのって、プリッと身の引き締まった味わい。ブリに比べるとクセが少なく、幅広い世代に親しまれるおいしさです。

天然物は身の赤みが強くあっさりとした味わいですが、養殖物は身が白っぽく適度に脂がのっています。

加熱するとパサつきやすいので、刺身や寿司、カルパッチョなどの生食に向きます。

ハマチより身が厚く、しっかりと脂ののった高級感のある味わい。天然物は赤身と脂のバランスがよく、魚本来の濃厚な旨味を楽しむことができます。

一方で養殖物はたっぷりと脂ののった大トロのような味わいですが、特有のクセが気になる方もいるようです。

刺身や寿司にはもちろん、ブリ大根やブリしゃぶなど脂の旨味を活かした料理に向きます。

ハマチと見た目がよく似た魚に「カンパチ」と「ヒラマサ」があります。これらはどれも「ブリ属（アジ科）」に分類される“親戚同士”の魚ですが、実際には別の種類です。

身の色や脂ののり方、食感など、それぞれ微妙に違うため、食べ比べてみるのもおすすめですよ。

ここからは、カンパチとヒラマサの特徴についてご紹介します。

ハマチと見た目がよく似ていますが、魚体が黄色っぽく頭に漢字の八の字のような模様があります。

身はハマチよりも白っぽくてクセが少なく、コリコリと引き締まった食感です。旬は夏から秋にかけてですが、養殖物は一年を通して安定した品質のものが出回っています。

ハマチに比べると魚体が平たく、成魚になるとブリよりも大きくなります。

身は脂が少なくあっさりとした味わいで、もちもちとした食感が特徴です。養殖があまり行われていないので、市場に出回っているもののほとんどは天然物になります。

💡ワンポイント豆知識
ハマチ、カンパチ、ヒラマサは身が白っぽいので白身魚だと思われがちですが、実は赤身魚に分類されます。真っ赤な血合いを持つハマチたちは、マグロやカツオと同じ赤身魚の仲間なのです。

ハマチの魅力を知ったところで、ここからはハマチをおいしく食べられるレシピをご紹介します。適度に脂ののったハマチは、やはり刺身などの生食がおすすめです。ひと手間加えることで特有のクセが和らぎますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ハマチとアボカドをたっぷりとのせた、少し贅沢な丼です。ハマチはしょうゆだれに漬けることでクセが和らぎ、ねっとりとした食感に仕上げることができます。卵黄をとろりと絡めていただけば、ごはんがどんどん進んでしまうこと間違いありませんよ！

ハマチのおいしさをシンプルに楽しめる、カルパッチョはいかがでしょうか。レモン汁やハーブソルトの爽やかな風味がハマチによく合い、さっぱりとした味わいでお箸が進みますよ！ワインのおつまみにぴったりですので、ぜひお試しください。

ハマチを加熱調理するときは、照り焼きがおすすめです！薄力粉をまぶしてから焼くことで、パサつきを防いでしっとりとした食感に仕上げることができますよ。ぜひ白いごはんと一緒に、こってりとした味わいをお楽しみくださいね。

ハマチを使って作るたたきのご紹介です。脂ののったハマチと、たっぷりの薬味がマッチしてとてもおいしい一品です。ごはんにのせても、おつまみとしてつまんでもおいしいので、この機会にぜひ作ってみてくださいね。

続いては、ブリをおいしく食べられるレシピをご紹介します。ブリは加熱することで旨味が際立ち、ふっくらとジューシーな味わいをお楽しみいただけます。特に冬に出回る寒ブリのおいしさは格別ですので、ぜひお試しくださいね。

ブリのおいしさをシンプルに味わうなら、やっぱりブリしゃぶ！ブリはだしにサッとくぐらせることで、口の中でとろけるような食感を楽しむことができます。シャキシャキの野菜と一緒に頬張れば、思わず笑顔になってしまうこと間違いありませんよ！

たっぷりと脂ののったブリは、照り焼きにしても絶品！甘じょっぱく味つけしたジューシーなブリはもちろん、旨味がしっかりと絡んだ長ねぎが主役級のおいしさです！ごはんのおかずやお酒のおつまみに、ぜひ作ってみてくださいね。

一から作ると時間のかかるブリ大根を、手軽に時短で作れるようにアレンジしました。ブリは表面を焼いてからサッと煮ることで、旨味を逃さず香ばしい風味に仕上げることができます。調理時間はわずか20分と手軽に作ることができますので、ぜひお試しください。

今晩のおつまみに、ブリの竜田揚げはいかがでしょうか。揚げたてはサクッと香ばしく、口の中でブリの旨味がじゅわーっと広がって絶品！ほんのりと香る生姜の風味もよく、ついついお酒が進んでしまう一品です。

いかがでしたか？今回は、ハマチの特徴をはじめ、ブリとの違いやおいしく食べられるレシピなどをご紹介しました。ハマチとブリは同じ魚ですが、ハマチは比較的あっさりとした味わいで、ブリはハマチよりひと周り大きい分、しっかりと脂がのった濃厚な味わいをお楽しみいただけます。今まで違いがよく分からなかったという方も、ぜひこの機会に食べ比べてみてくださいね。